11月8日(火)、地公労(千葉県地方公務員労働組合共闘会議:千教組・県職労・高教組の3単組、議長:渡邉郁哉千教組中央執行委員長)は、県庁人事課と人事委員会勧告後の最初の交渉を行いました。冒頭、渡邉議長より、「本日は、現場からも組合員を集め交渉に臨む。現場の生の声を聞いていただきたい。そして私たちの要望をしっかり受け止めていただきたい。本日いただいた回答は、即、現場に届く。現場の職員、教職員が目の前にいることを踏まえ、ご回答をお願いする」と申し入れ、交渉をスタートしました。
交渉の主な内容は、以下のとおりです。
1 人事委員会勧告の取扱い (1)全職員の月例給改善 地公労 2年間月例給は引上げがなく、今年度は若年層のみの引上げにとどまっている。また、物価高騰の中、職員の生活実態は厳しくなっている。どう認識しているか。 県当局 職員の皆さんの生活実態についてはそれぞれの事情もあり一概に申し上げることは困難であるが、物価上昇などが生活に一定の影響を及ぼすものであるということは認識している。 地公労 月例給について、若年層のみの引上げが提案されたが、災害や新型コロナに対応し続けている全職員・全教職員の奮闘からすると、全職員に引上げを行うべきではないか。 県当局 災害や新型コロナウイルス感染症などの事情により、職員・教職員の業務に様々な影響が生じ現在も対応してもらっていることは承知している。本年の勧告は人事委員会において、民間給与との格差の状況及び国の人事院勧告の内容等を総合的に勘案した結果、初任給及び若年層について引上げを行うこととするものである。職員の給与については民間、国や他団体との均衡を考慮して人事委員会が勧告しているものであり、人事委員会の勧告を尊重することが私共の基本的な立場である。 地公労 消費者物価指数は人勧制度の官民比較の4月以降、8月まで上昇が続き、前年比3%の上昇となっている。情勢適応の原則からすると、反映して給与の引上げを行うべきではないか。 県当局 物価上昇が職員の皆さんの生活に一定の影響を及ぼすものであるということは認識しているが、人事委員会は物価などの状況も踏まえて設定されている民間給与の状況を調査・研究した結果、必要な勧告をしていると理解している。職員の給与については法令等の制度的な枠組みを踏まえ職員の給与を社会一般の情勢に適応した適正なものとする人事委員会の勧告に乗っ取って改定を行う必要があるものと考えている。 地公労 関東近県では千葉県の地域手当支給率は低い状況もある。神奈川県では、地域手当の引上げが行われている。人材確保の面からも地域手当の引上げが必要と考えるがどうか。 県当局 地域手当の支給割合に団体間で差があることは指摘の通りである。地域手当の支給割合については、専門的第三者機関である人事委員会が地域の民間水準をより適切に反映するという地域手当の趣旨を踏まえ、国との均衡や本県の事情を考慮しながら調整、研究したうえで必要な勧告を行ってきたと理解している。私共としては人事委員会の勧告を尊重する立場であり、これまでも勧告に乗っ取って改定等を行ってきたことから、適正なものと認識している。人事委員会が専門的に調査・研究を行った結果、引上げの必要があると判断した場合には勧告が出されるものと考えている。 (2)一時金 地公労 人事委員会勧告では、民間企業の支給率との較差は0.12月であるが、慣例により0.10月の引上げとなっている。昨年は民間格差以上の引下げとなっており、非合理である。せめて、0.12月の引上げとするべき。 県当局 人事委員会の方から期末勤勉手当の支給月数については、民間の特別給の支給状況との均衡を基本として国の支給状況を考慮し判断していくと聞いている。本年の勧告についても専門的第三者機関である人事委員会がそうした事情を総合的に勘案したうえで判断した結果であると理解している。私共としては人事委員会が専門的に調査・研究した結果としての勧告と異なる取り扱いをすることは考えていない。 地公労 この間、引上げは勤勉手当で行われ、引下げは期末手当で行われてきた。今回の提案でも勤勉手当のみで引上げとなっており、職員間の格差拡大につながる。期末手当で引上げを行うべきではないか。 県当局 期末勤勉手当の配分については、人事委員会から国・民間の支給状況を考慮して判断していると聞いている。専門的第三者機関である人事委員会が総合的に勘案したうえで判断した結果であり私共としては人事委員会の勧告を尊重する立場にある。 (3)初任給改善 地公労 10月13日に出された県人事委員会勧告での民間企業調査では、地域手当を含めないと行政職では全ての試験区分で県職員の初任給が民間の初任給を下回っている。この較差は千葉県を受験することへの障害となるのではないか。 県当局 初任給については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。本年の勧告も専門的第三者機関である人事委員会が調査・研究して総合的に勘案して出されたものであり適当であると認識している。なお、職員採用については、人事委員会であるとか各職種の所管部局ではオンラインでの説明会の開催やSNSを活用した試験情報の発信を行うなど人材の確保に向けて努力しているところである。引き続き必要な人材の確保に向けて各部局とも連携を取りながらとりくんでいきたいと考えている。 地公労 この数年、教職員や専門職で応募者は少ない状況がある。特に知事部局の一部の専門職では半数にも満たない。千葉県への受験を選択するに当たり、賃金は大きな要素である。初任給を大幅に引上げる必要があると考えるがどうか。 県当局 初任給を含む職員の給与水準については、地方公務員の給与決定ルールとして専門的第三者機関である人事委員会の勧告という制度が設けられているわけであって、私共としてはこれまでと同様に人事委員会の勧告を尊重する立場である。初任給の方は、応募にあたっての判断材料の一つではあると思うが、人事委員会において民間の状況を調査した上で勧告しており適切な水準が示されているというふうに考えている。 地公労 10月から千葉県の最低賃金が時給984円に引き上げられ、過去最大の引き上げ幅であり、職員の月例給に換算すると5000円以上の引上げに相当する。この15年間では最低賃金が39%の引上げの一方で初任給は10%しか引き上げられていない。数年の内には逆転となる可能性もある。初任給の引上げを特別に行う必要があると考えるがどうか。 県当局 近年、最低賃金の引上げが続いていることは承知しているが、初任給を含めて職員の給与というのは最低賃金も踏まえて決定されている。民間の状況を調査して、人事委員会が勧告をしているものと考えている。 (4)中間層の賃金改善 地公労 月例給の改定があったのは30歳台半ばまであるが、35歳以降の年代についても定期昇給幅が少ない年代であり、社会的には子育て世代で出費が多い世代にある。知事部局では30代前半までの職員が半数を占める中、35歳以降の年代の職員が新人の教育など行い中心的な役割を担っている。担っている職責をどう考えるか。 県当局 それぞれの職員が担っている業務は業務内容などによって異なるため、一概に年齢で振り分けることは困難ではあるが、指摘の世代の職員の中には若手職員の指導や所属の業務の中心的な役割を担っている職員が多くいることは認識している。 地公労 多くの職責を担っている35歳以降の引上げを行うべきではないか。 県当局 本年の勧告について人事委員会からは、民間企業における初任給の動向等を踏まえながら人事院勧告の内容に準じて、初任給及び若年層について引上げを行うものとするものである。給料表の改定については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。 (5)高齢層の賃金改善 地公労 「給与制度の総合的見直し」「55歳超昇給停止」などで長期間に渡り、高齢層の賃金水準の引上げがない。一方で、若年層の増員で、高齢層職員の業務は年々多忙化している。高齢層の頑張りに応え、モチベーションを維持するためにも賃金改善を行うべきと考えるがどうか。 県当局 これまで「給与制度の総合的見直し」など高齢層職員への影響が大きい見直しがあったことは承知している。職員の皆さんがモチベーションをもって業務に従事してもらうことは重要であると考えているが、職員の給与については法令等の制度的枠組みを踏まえる必要があり、人事委員会の勧告を尊重するということが私たちの基本的立場である。 地公労 次年度から55歳超昇給停止となるが、55歳以降昇給できた世代と昇給停止の世代の生涯賃金はどの程度異なるのか。任命権者ごとに数字を示して欲しい。 県当局 来年度から定年年齢の引上げが実施されるなど、世代間の適応される制度も異なり、また、職員ごとに昇給・昇格・任用といった条件も異なり生涯賃金の差を示すことは難しいと考えている。 地公労 特に、教育職給料表は、ほとんどの教員が2級に在級するので、昇給に限界がある。高齢層のモチベーション維持のためにも特別昇給を復活できないか。 県当局 教職員の給与に関することについては、教育委員会において任命権者として判断するものというふうに考えている。教育現場に関する要求についてはこれまでも皆さんとの交渉経過を教育委員会に伝えているところであって、本日話があったことについても伝えていきたいと考えている。
2 会計年度任用職員改善 地公労 千葉市人事委員会勧告では、「会計年度任用職員について、常勤職員に特別給として期末手当及び勤勉手当が支給されていることにも留意する必要がある」と言及している。正規職員との均等待遇の観点から、勤勉手当も支給すべき。 県当局 地方自治法上パートタイムの会計年度任用職員には勤勉手当を支給することができないというふうにされており、現状においては、勤勉手当相当分を報酬や期末手当として支給するということであってもできないと考えている。会計年度任用職員の期末手当の改定にあたっては、皆さんからの話を踏まえて常勤職員との年間支給月数の違いを考慮して昨年も引き下げ幅を縮減するなど一定の配慮をしているところである。 地公労 期末手当の支給要件に週15時間30分以上の勤務としている。会計年度任用職員への制度移行時に週の勤務時間数が減らされたり、学校側の理由により、時間数が少なくなっていたりする例もある。週15時間30分以上の勤務の要件を撤廃するべき。 県当局 会計年度任用職員の期末手当の支給要件については、国のマニュアルを踏まえて任期が6か月以上かつ週当たりの勤務時間が15時間30分以上の場合に支給対象としたところである。国のマニュアルにおいては一般的に週2日に見合う勤務時間未満では、本格的に職務に従事するとは言い難いものという考えや国の非常勤職員でも勤務日数が少ない場合には支給対象から除くとする扱いが示されている。また、任期が相当長期にわたるものに対して支給する必要があるとされ、相当長期の期間として6か月以上というような目安が示されている。期末手当の支給にあたっては、任期が相当長期にわたること及び一定程度職務に従事している必要があると考えており国のマニュアルを踏まえて任期が6か月以上かつ勤務時間が週あたり15時間30分以上の場合を支給対象としている取り扱いは適切なものであると考えている。 (2)休暇制度改善 地公労 正規職員との均等待遇の観点からも職員は有給休暇となっている休暇制度で会計年度任用職員には、現在無給となっている休暇を有給とすべきと考えるがどうか。 県当局 会計年度任用職員の休暇については皆さんとの話し合いを経て従来の非常勤職員の休暇制度と同様としたところである。また、無給にしているものについては国に準じて無給にしているところであって、現行の取扱いは適正なものであると考えている。 地公労 疾病の場合は、「私傷病」「公務上」とも無給となっている。『公務上の負傷や疾病』は本人に非がない場合が多いと考える。有給とすべきと考えるがどうか。 県当局 会計年度任用職員の療養休暇については、「公務上」「私傷病」ともに国の非常勤職員の取扱いに準じて無給としているものであって適正なものと考えている。皆さん要求の趣旨はわかるのだが有給とすることは難しいというのが現状である。 地公労 『私傷病』の場合も当該年度中に雇用された場合は、年次有給休暇の日数も少ない。現行10日以内であるが有給とすべきと考えるがどうか。 県当局 「私傷病」による療養休暇については、国に準じて無給としているものであって現段階では適正なものと考えている。
3 定年年齢引上げ まずは現場からの声 安房支部 源間書記長より 私たち教職員は、子どもの成長に携わるこの仕事に誇りを持って働いる。子どもたちの笑顔のために、教材研究をし、ノートや作品にコメントを書き、翌日の準備をしている。子どもたちの笑顔が何にも代えがたい原動力である。しかし、依然として変わらない学校現場の多忙感、長時間労働、さらには、今回の定年延長に対し、体力的にいつまで続けられるかと不安に感じているベテラン層教職員が非常に増えている。 また、今回の示された定年延長では60歳以降、引き上げられた定年年齢までフルタイムで働くか、定年前再任用短時間勤務で働く、もしくは退職するかという道が考えられる。 引き上げられた定年年齢までフルタイムで働きたいと考えた場合、給与や多くの手当が60歳の7割水準と示されている。しかし、業務内容はどうなるのか。仮に学級担任をする場合、業務も7割水準にすることはできるのか。 ベテラン層の教諭からは 「60歳以降も働きたいと考えているが、給料が7割に下げられても7割程度の力で働くことなどできない。子どもたちのために精一杯働きたい。また、今の学校だから続けたいという思いもある。」 また、養護教諭からは 「給料が7割になっても、学校に一人しかいない職種だから業務も7割にすることはできない。」 60歳以降も定数内であることを踏まえると、業務内容も給与と同じように7割になることは想定しにくいこと。実際、再任用の教職員も退職前と変わらない業務を担っている教職員がほとんどである。 栄養教諭からは、定年前再任用短時間勤務についても心配する声があった。 「短時間勤務を選択した場合、残りの仕事を担ってくれる方がいるのか。仮に午前中に勤務が終わった場合、午後からはどうなるのか。短時間勤務では到底業務が終わらないことははっきりしている。」 職場に迷惑をかけてしまわないかと不安に思っている教職員が多くいる。 最初にも伝えたが、私たち教職員は誇りを持って、子どもたちの笑顔のために精一杯尽力している。この職業を選んでよかったと思える瞬間がたくさんある。しかし、それと同等、それ以上に不安を感じながら頑張っているのも事実である。 教職員の抱える不安に寄り添い、より多くの教職員が60歳以降も働きたい、子どもたちの笑顔が見たいと、モチベーションにつながるような処遇について、ご検討いただきたいと思う。よろしくお願いいたします。
地公労 同一労働同一賃金の観点から、定年引上げで60歳以降同じ業務内容であるにも関わらず賃金だけが7割に引き下げられる。年齢で差が生じることは不合理ではないか。 県当局 60歳を超える職員の給与等の取扱いについては、地方公務員法に定める均衡の原則に基づき国の取扱いに準じて定める必要があるというふうに考えている。国における月額7割措置については、国家公務員の給与を社会一般の情勢に適用する様に民間の給与水準等を参考に当分の間の措置として設定したものというふうにされており、そうした考え方を踏まえて本県においても7割水準とすることが適当であると判断したところである。国よれば給与月額については、同一の職務の級の中でも一定の幅が設けられて職員間で差が生じることが予定されているなどの理由によって職務給の原則に反するものではないとの考え方が示されている。 地公労 60歳以降、7割に賃金が引き下がり、5年間もモチベーションを保つことが難しいのではないか。長期にわたり培ってきた経験を活かすためにも、モチベーションを維持できる待遇とすべきだ。 県当局 職員の皆さんが意欲をもって業務に従事してもらうことは重要であると認識している。一方で職員の給与というのは国や民間事業者の給与などを考慮して定めなければならないとされており、60歳を超える職員の給与等の取扱いについては国の取扱いに準じて定める必要があると考えている。 地公労 定年引上げにより、60歳以降も同様の働き方が求められる。教育現場で子どもたちと一緒に活動することや知事部局の交代制勤務で働くことは大きな負担である。交代制勤務での夜勤免除や軽減など、それぞれの職場で加齢による肉体的な負担を軽減する対策を行うべき。 県当局 定年引上げ後においては、職員の身体的負担などを考慮して自らのニーズに合った勤務形態を選択できる環境を整えることによって引き続きそれぞれの職場で活躍してもらうことが重要であると考えている。そのため、職員が高齢者部分休業や新たに導入される定年前再任用短時間勤務制を選択できるようにすることによって、職員の多様な働き方のニーズに応えていきたいと考えている。教職員の働き方に関することについては、教育委員会が任命権者として判断するものと考えている。教育現場に関する要求については、今までの皆さんとの交渉結果を教育委員会に伝えているところである。本日話があったことについても伝えていきたいと思っている。 地公労 60歳以降の職員が過度な負担と感ぜずに継続して勤務ができる様に、人員増や高齢者部分休業の際の代替職員の確実な配置などを行うべき。 県当局 60歳以降の職員も含めて職員に過度な負担をさせることのないよう適切な人員配置に努めていきたいと考えている。また、職員が高齢者部分休業を取得する場合には、それぞれの所属において業務分担の見直しを行うなど、当該職員の業務を処理するための措置を講じることとなる。代替職員の配置については各所属の状況などを踏まえて判断することになる。 地公労 高齢者の負担軽減のためにも、現役世代の負担軽減のためにも、人材確保が重要である。定年退職者が発生しない年度も例年と同様に新規採用をするべき。 県当局 事務事業を効果的・効率的に遂行するためには、過不足なく適正に配置することが求められているかと思う。一方で行政サービスを将来にわたり安定的に提供するためには、一定の新規採用を継続的に確保することも必要であると考えている。定年引上げ期間中においては、定年が2年に一回ずつ段階的に引き上げられることに伴って、定年退職者が生じない年度があるわけだが、新規採用者数の平準化を図るなど適切に対応していきたいと考えている。 4 再任用職員制度改善 地公労 65歳まで年金を受給できない状況となる。しかし、再任用制度発足時には年金が受給できることを前提としている制度で、現状とは前提条件が異なる。物価高騰もあり、明らかに生活は悪化している。ほとんどの再任用職員がフルタイム勤務で、定年前と変わらない状況にある。月例給・手当の改善を行うべきではないか。 県当局 現在の再任用は、定年退職した職員を対象とした再雇用制度である。その給与については、職務を基本として民間の再雇用者の給与水準を参考に決定された国の制度に準じたものとなっている。また、制度導入後は人事委員会が民間の再雇用者の給与水準を調査・研究したうえで国や他団体の状況など、総合的に勘案し実施される毎年の勧告に則って改定などを行ってきたところであり、適正なものと考えている。退職前と比較して給与が下がることにはなるが、現行の再任用職員の給与は民間及び他団体などの状況を踏まえた人事委員会勧告に則ったものであり、独自に引き上げることは困難であると考えている。 地公労 再任用制度発足時の年金受給を踏まえ、当時知事部局では、週31時間勤務が主流であった。現在はフルタイム勤務が主流となり、若干の賃金増となったが、トータルとして年収減となっているとの認識はあるか。 県当局 退職後無年金なった期間が生じたことによる収入減の影響があることは承知している。再任用職員の給与水準は年金を含めた総収入を考慮して決定されたものではなく、職務を基本として民間の再雇用者の給与水準を参考に決定されたものである。退職後無年金の期間が生じるようになったのちも人事委員会が同様の状況にある民間の再雇用者の給与水準などを調査・研究したうえで行う勧告に則って改定などを行ってきており、適正なものであると認識している。 地公労 一時金の支給率も低く抑えられている。今回の勧告でも0.05月の引上げにとどまっている。定年前職員と同様の支給率とすべきではないか。 県当局 現在の再任用は定年退職した職員を対象とした再雇用制度である。期末勤勉手当の支給月数についても定年前の職員とは異なるものとなっている。再任用職員の支給月数についても専門的第三者機関である人事委員会が民間企業の状況を調査・研究したうえで国や他団体との状況を踏まえた勧告に則って改定を行ってきているので、その勧告を尊重するということが私共の基本的な立場である。 地公労 住居手当や扶養手当など生活関連手当の支給を求める。 県当局 現在の再任用制度の導入にあたっては、国において諸手当については民間企業の再雇用者の諸手当の支給状況などを勘案して支給することが適当な手当てに限って支給することとしたというふうに聞いている。再任用職員であっても必要経費の負担があることは承知しているが、現行の再任用制度の導入以降、人事院勧告において再任用職員に対して住居手当あるいは扶養手当などの生活関連手当を支給する必要があるというような言及はなく、国や他団体の状況を踏まえると支給するような状況にはないものというふうに考えている。 地公労 これまで長年にわたり、再任用職員の待遇改善を訴えてきたが国や他県との均衡を理由として先送りされてきた。しかし、現状では退職前の職員と同様の働き方をしている。そしてこのことは県当局も「本格業務を行ってもらう」と当事者に説明しているところであり、何らかの待遇改善を検討すべきではないか。 県当局 再任用職員の皆さんが再任用後もそれぞれの職場で業務にとりくんでもらっていることは理解している。しかしながら、現行の再任用は定年退職した職員を対象とした再雇用制度であり、その給与については民間の再雇用者の給与水準を参考に決定された国の制度に準じたものとなっている。また、制度導入後は人事委員会が民間の再雇用者の給与水準を調査・研究したうえで国や他団体の状況などを総合的に勘案して決定される毎年の勧告に則って改定などを行ったところであり、適正なものと考えている。定年前と比較して給与は下がることとなるが、現行の再任用職員の給与は民間及び国や他団体との状況を踏まえた人事委員会勧告に則ったものであり、独自に引き上げることは困難である。
5 休暇制度充実 (1)子育て休暇改善 地公労 学校行事では入学式・授業参観3回・運動会・卒業式と6日間必要であり、風邪などでの看護を含めると7日間では不足する。子が2人なら10日であるが、3人の子なら全く足りない、日数増が必要ではないか。 県当局 これまで皆さんと話し合いを重ねながら制度の拡充に努めてきたところである。日数についても、国における看護休暇では子が一人の場合、5日であるところ県では現在7日に拡充しているところである。国や他団体との均衡などを踏まえるとさらに拡充することは困難であると考えている。 地公労 これまで孫の育児のために退職する職員もいたが、定年引上げにより勤務期間も延長された。孫の育児を必要とする職員も多くなる。孫も子育て休暇に含めるべき。 県当局 子育て休暇については、制度の拡充に努めていて対象者についても国では小学校就学前までであるところ県では義務教育修了前までと国と比較して拡充しているところである。職員が親に代わって孫の世話を行うことは少なくないということはこれまでもうかがっている。国や他団体との均衡を踏まえると、子育て休暇の対象をさらに拡充することは難しいと考えている。 地公労 異常気象や、コロナ禍で学校などから子どもの迎えを求められる際も休暇の範囲とするよう求めてきた。前回検討すると回答があったが結果はどうか。 県当局 子育て休暇の拡充について提案をしていきたい。 これまでの交渉において「学校行事として実施する引き渡し訓練は、学校行事であるため子育て休暇の対象となるが、実際に災害などが発生した場合に学校から引き渡しが求められた場合は、子育て休暇の対象とならない」という点について、皆さんから対象とすべきと強い要望があって、その取り扱いについて検討してきたところである。検討した結果、皆さんから要求があった内容に沿って見直すこととした。
子育て休暇の見直しについて(案) 1 見直し案
2 実施時期 令和5年4月1日
(2)看護や育児のために退職した場合の復職制度 地公労 千葉県職員の平均年齢は、県人勧では行政職給料表の職員は39.1歳で経験年数も17.3年となっている。また、教職員も平均年齢は39.3歳で若い職員の比率が高い。経験が豊富な職員の確保が必要ではないか。 県当局 職員の年齢構成などを踏まえて、即戦力として活躍できる経験者の採用が必要な職種については、民間企業等職務経験者の採用選考を行っているところであり、今後も必要な人材の確保に努めていきたいと考えている。 地公労 看護休暇の3年や育児休業で子の年齢が3歳を超えて看護等をせざるを得なく退職せざるを得なくなった職員・教職員が、その後看護等の要件がなくなった場合に復職できる制度を新設できないか。 県当局 家族の看護や育児は職員にとって重要な問題であると認識している。本県では、皆さんとの話し合いを踏まえて、平成24年度から看護休暇を3年の範囲以内で取得できることとしているが、これは国や他団体と比べても充実した制度になっていると認識している。また、3歳を超える子の育児看護のためフルタイムの勤務が難しい場合には、子が小学校就学の時期に達するまでの間、部分休業や育児短時間勤務制度このような制度は活用することができることとなっている。今後も看護や育児を行う職員が休暇など活用することができるよう「育児看護ための両立支援ハンドブック」などを通じて制度の周知を図るとともに職員の働きやすいように努めていきたいと考えている。 (3)リフレッシュ休暇 地公労 定年引上げにより勤務年数が延長される。リフレッシュ休暇を35年、40年をそれぞれ3日新設するべき。 県当局 リフレッシュ休暇の要件であるとか日数は他団体と比較しても遜色ない状況であり拡充については現時点では考えていない。また、リフレッシュ休暇は国にない休暇制度であり日数や対象となる年齢をさらに増やすことについて県民の理解を得ることは難しいと考えている。 地公労 定年引上げで勤務年数が延長されたことは、若年層から中堅層にとっては、大きな変化である。リフレッシュ休暇を10年・20年は3日に、30年は5日に日数増をするべき。 県当局 リフレッシュ休暇の要件であるとか日数は他団体と比較しても遜色ない状況であり拡充については現時点では考えていない。 櫻井書記長からの質問 定年引上げを迎える高齢層のモチベーションを上げるためには、賃金面を上げるのが一番効果的だが、せめて休暇のところでもやってもらえないか。他県もそれぞれこういった話を要求しているが、結局、国や県との均衡と回答し、どこの県も様子を見ている状況である。どこかの県が均衡をやぶらないと進まない。どこかが抜き出すことによって勢いがつく話だと思う。ぜひ千葉県からやってもらえないか。千葉県から、他県や国に伝えることが一歩になっていくと思うが、この点はいかがか。
県当局 先行して休暇を作ればよいのではないかという意見ですが、基本的には国や他団体の様子を見ていきながら県民の理解を得ながら休暇を作っていくというのが基本的な考え方であると考えている。引き続き、他の県の状況や国の状況は注視していきたいと考えている。 (4)夏季休暇拡大 地公労 夏季休暇は、連続休暇の取得をするよう推奨され、休暇取得率も9割以上である。職員にも有効活用されている。7日に延長できないか。 県当局 本県の現在の夏季休暇の日数は6日であることは47都道府県の中でも充実していると認識している。日数の拡充については考えていない。休暇の取得促進については、これまでも会議や通知などの機会を通じて夏休みを含めた計画的な休暇の取得や連続休暇の取得促進あるいは率先した管理職の休暇取得や管理職からの各職員への休暇取得の働きかけなど休暇を取得しやすい環境づくりに努めてきたところである。今後とも休暇を取得しやすい環境づくりに努めていきたいと考えている。 地公労 昨年度・今年度は、夏季休暇の取得期間延長を行った。取得期間を6~10月とするべきではないか。 県当局 昨年度と今年の夏季休暇の未取得日数分の特別休暇の措置については、新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大の対応に多くの職員が従事することとなって結果として9月までの夏季休暇の取得が困難になったという特別な状況を考慮したものである。本件の取得期間については平成24年度に6月から9月までとしたところであり、国や他の都道府県と比較しても充実していると認識していて取得期間の拡充については現時点では考えていない。 地公労 夏季休暇取得期間は、任命権者ごとで業務の繁忙期が異なっている。任命権者ごとで、取得期間を決めるべきではないか。 県当局 夏季休暇の取得については、均衡の観点から原則として各任命権者において統一的に運用される望ましいと考えている。ただ取得期間の延長については各任命権者がそれぞれの事情を考慮して、検討を行うべきものであると考えていて、そのうえで任命権者から話があれば私共としても話を伺わせてもらうことになると思う。
6 勧告の扱いの最終確認 地公労 再度、職場で奮闘する職員・教職員の奮闘を顧みないものである。改めて全職員の月齢給の引上げを求める。 県当局 本年の勧告というのは人事委員会において、民間給与との格差の状況及び国の人事院勧告の内容など総合的に勘案した結果、初任給及び若年層について引上げを行うこととするものである。職員の給与については、民間企業あるいや国や他団体との均衡を考慮して人事委員会が勧告するものであり人事委員会の勧告を尊重することが私共の基本的な立場である。これまで皆さんと話し合いを重ねてきたが示した提案の内容で理解してもらいたい。 地公労 これが最終回答ということか。 県当局 示した提案の内容で理解してもらいたい。 地公労 持ち帰って検討して、後ほど回答する。定年引上げに伴い、今後、様々な課題が生じることが想定される中、高齢者層に対応した休暇制度の改善など、これまで、我々が主張してきた要求に対し、前向きな回答がもらえていない。当局としては。我々が示した課題に対し、今後どのように対応していくつもりなのか。 県当局 今後の話として具体的なことを言うことは難しいことである。これまで要望してもらったことあるいは現場の声を吸い上げてもらった中で、課題として交渉のテーブルに載せてもらったことについては、当局としても引き続き誠意もって交渉の場で話し合っていきたいと考えている。 |
最後に、渡邉議長より「本日、子育て休暇について取得自由の見直し提案があったことは、評価する。しかしながら、本日の現場の声を踏まえれば、充分とは言えない。私たちが求めていることは、職員や教職員の意欲の向上や人材確保につながり、行政サービスの向上やよいよい教育に寄与するものである。また、定年引上げ、男女が共同した社会の構築、少子化対策、等々いま、国がめざす方向とものずれてはいないはずである。国や他団体との均衡にばかりに目をむけず、よりよい社会にしていくために、千葉県から1歩進んだ方針や施策を発信していただきたい。このことを強く要望し、本日の交渉を終わりにする。」と力強く申し入れ、交渉を終えました。学校現場の実態を千教組本部に届けていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
千葉県教職員組合は10月31日、櫻井書記長をはじめとする中央執行委員及び各専門部と各支部の代表者の参加のもと、千葉県教育委員会と「教育政策・研修等に関する交渉」を行いました。
今回の交渉から、今までの研修に加え、教育政策についても要求を行いました。その中でも特に、①学びの未来デザインシートのあつかいについて、②全国学力学習状況調査に関する指導・助言について、③部活動の地域移行について、④研修レポートを実施するための時間の確保および精選・軽減、等を中心に具体的な要求をするとともに、学校現場の実態を訴え、改善を求めました。また、市原市支部・東葛支部の参加者から、学校現場の実態を訴え、改善を求めました。
<県教委からの主な回答>
○令和3年度の予備調査で得られた結果を基に、問題構成や難易度を調整するとともに、より授業改善や子供たちの意欲向上に結び付くようなフィードバックの在り方について、検討をしているところである。
○「教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てること。さらに、そのような取組 を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること」といった全国学力・学習状況調査の目的が達成されるよう、基本方針について研修会や文書による周知を今後も行っていく。
○県教育委員会では、教員や生徒、保護者のニーズに寄り添いつつ、教員の働き方改革の視点で部活動の地域移行に取り組めるよう、市町村教育委員会に助言していく。文化部活動の地域移行については、地域や学校の実態を把握した上で、部活動の地域移行に向けての準備を進めていく。
○今後とも、eラーニングの講座視聴について、課業時間内に校内で受講ができるよう周知に努めていく。
交渉後、千教組を代表して櫻井書記長が、「千教組は今日までの県教委の方々の迅速かつ柔軟な研修等への対応・配慮について感謝している。しかし、現場の教職員は、子どもと生活をしながら、一人ひとりの未来を想像し、今、どんな力をつけてあげることがいいのか、最も必要な時間はなにかを常に自問自答しながら、毎日の授業、各行事等を行っている。その結果多くの教職員は、自分の時間を削っている。全国学調では、4月の大切な時期に事前練習をしたり、点数や平均点に意識がいったりすることをどのようにとらえているのか。関係機関に指導・指摘をしていただきたい。学びの未来デザインシートについては、疑問を持っている教職員が私たちの調査では多い。この事業費を専科、サポーターなどの職員に増額した方がありがたいと思っている教職員がいる。納得のいくきちんとした周知が必要である。最後に研修については、今後も教職員のニーズに耳を傾けていただき、現場が情報を得やすくなるとりくみの継続をお願いしたい。教職員が自信を持ち、何より気持ちにゆとりを持って教育活動を進められるようにしていただきたい。」と力強く訴えました。
千葉県教職員組合は、交渉で確認したことを具体的に改善させるために、今後も県教委との折衝にとりくんでいきます。ご支援、ご協力をお願いいたします。交渉内容の詳細は後日発行の速報②を参照してください。
11月1日、地公労(千葉県地方公務員労働組合共闘会議:千教組・県職労・高教組の3単組、議長:渡邉郁哉千教組中央執行委員長)は、県庁人事課と人事委員会勧告後の2回目の交渉を行いました。冒頭、渡邉議長より、「前回人事委員会の取り扱い等に関する提案があった。勧告を尊重し、引上げとした提案は、一定評価するものの、充分と言えるものではない。物価の高騰、人材不足、定年引上げなど、生活面でも仕事面でも課題が多々ある。千葉の未来を切り拓いていくために、様々な課題解決につながる工夫を強く要望する」と申し入れ、交渉をスタートしました。
交渉の主な内容は、以下のとおりです。
1 人事委員会勧告の取扱い
(1)全職員の月例給改善
地公労 月例給引上げでは、若年層のみの引上げが提案されたが、災害や新型コロナに対応し続けている全職員・全教職員の奮闘からすると、若年層だけではなく、全職員に引上げを行うべきではないか。
県当局 災害や新型コロナウイルス感染症などの事情により、職員・教職員の業務に様々な影響が生じ現在も対応してもらっていることは承知している。本年の勧告は人事委員会において、民間給与との格差の状況及び国の人事院勧告の内容等を総合的に勘案した結果、初任給及び若年層について引上げを行うこととするものである。職員の給与については民間、国や他団体との均衡を考慮して人事委員会が勧告しているものであり、人事委員会の勧告を尊重することが私共の基本的な立場である。
地公労 民間給与との比較では、行政職員の給与の全世代における平均での比較である。ならば、水準調整など全職員に波及する改善を行うべきである。
県当局 本年の勧告について人事委員会からは、民間企業における初任給の動向等を踏まえ人事院勧告の内容に準じて初任給及び若年層について引上げをするものと聞いている。給料表の改定については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。
地公労 消費者物価指数は8月までで、前年比3%の上昇である。情勢適応の原則からすると、反映して給与の引上げを行うべきではないか。
県当局 物価の上昇により職員の生活に一定の影響を及ぼしていることは、理解している。人事委員会は物価や生活費等の状況も踏まえて決定されている民間給与の状況を調査・研究した結果、必要な勧告をしている。しかし、給与に関しては、法令等の制度的枠組みを踏まえて社会一般の情勢に適応した適正なものとする人事委員会の勧告に則って改訂を行う必要があると考えている。
地公労 関東近県では千葉県の地域手当支給率は低い状況もある。人材確保の面からも地域手当の引上げが必要と考えるがどうか。
県当局 地域手当の支給割合に団体間で差があることは指摘の通りである。地域手当の支給割合については、専門的第三者機関である人事委員会が地域の民間水準をより適切に反映するという地域手当の趣旨を踏まえ、国との均衡や本県の事情を考慮しながら調整、研究したうえで必要な勧告を行ってきたと理解している。私共としては人事委員会の勧告を尊重する立場であり、これまでも勧告に則って改定等を行ってきたことから、適正なものと認識している。人事委員会が専門的に調査・研究を行った結果、引上げの必要があると判断した場合には勧告が出されるものと考えている。 (2)一時金 地公労 人事委員会勧告では、民間企業の支給率との較差は0.12月であるが、0.10月の引上げとなっている。昨年は民間較差以上の引下げとなっており、非合理である。せめて、0.12月の引上げとするべき。 県当局 期末勤勉手当の支給の月数に関しては、人事委員会では民間の特別給の支給状況との均衡を基本として、国の支給状況も考慮して判断している。本年の勧告についても、専門的第三者機関である人事委員会が、事情を総合的に勘案したうえで判断した結果であると理解している。私共としては人事委員会からの勧告と異なる取り扱いにすることは考えていない。 (3)初任給改善 地公労 10月13日に出された県人事委員会勧告での民間企業調査では、地域手当を含めないと行政職では全ての試験区分で県職員の初任給が民間の初任給を下回っている。この較差は千葉県を受験することへの障害となるのではないか。 県当局 初任給については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。本年の勧告も専門的第三者機関である人事委員会が調査・研究して総合的に勘案して出されたものであり適当であると認識している。なお、職員採用については、人事委員会であるとか各職種の所管部局ではオンラインでの説明会の開催やSNSを活用した試験情報の発信を行うなど人材の確保に向けて努力しているところである。引き続き必要な人材の確保に向けて各部局とも連携を取りながらとりくんでいきたいと考えている。 地公労 10月から千葉県の最低賃金が時給984円に引き上げられ、過去最大の引き上げ幅であり、職員の月例給に換算すると5000円以上の引上げに相当する。この15年間では最低賃金が39%の引上げの一方で初任給は10%しか引き上げられていない。数年の内には逆転となる可能性もある。初任給の引上げを特別に行う必要があると考えるがどうか。 県当局 近年、最低賃金の引上げが続いていることは承知しているが、初任給を含めて職員の給与というのは最低賃金も踏まえて決定されている。民間の状況を調査して、人事委員会が勧告をしているものと考えている。 (4)中間層の賃金改善 地公労 月例給の改定があったのは30歳台半ばまでであるが、35歳以降の年代についても定期昇給幅が少ない年代であり、社会的には子育て世代で出費が多い世代にある。知事部局では30代前半までの職員が半数を占める中、35歳以降の年代の職員が新人の教育など行い中心的な役割を担っている35歳以上の引上げを行うべきではないか。 県当局 本年の勧告は人事委員会において、民間企業の初任給の動向等を踏まえ、人事院勧告の内容に準じて初任給及び若年層について引上げを行うこととするものである。給料表の改定については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。 (5)高齢層職員の賃金改善 地公労 「給与制度の総合的見直し」「55歳超昇給停止」などで長期間に渡り、高齢層の賃金水準の引上げがない。一方で、若年層の増員で、高齢層職員の業務は年々多忙化している。高齢層の頑張りに応え、モチベーションを維持するためにも賃金改善を行うべきと考えるがどうか。 県当局 これまで「給与制度の総合的見直し」など高齢層職員への影響が大きい見直しがあったことは承知している。職員の皆さんがモチベーションをもって業務に従事してもらうことは重要であると考えているが、職員の給与については法令等の制度的枠組みを踏まえる必要があり、人事委員会の勧告を尊重するということが私たちの基本的立場である。 地公労 特に教育職給料表は、ほとんどの教員が2級に在級するので、昇給に限界がある。高齢層のモチベーション維持のためにも特別昇給を復活できないか。 県当局 教職員の給与に関することについては、教育委員会において任命権者として判断するものというふうに考えている。教育現場に関する要求についてはこれまでも皆さんとの交渉経過を教育委員会に伝えているところであって、本日話があったことについても伝えていきたいと考えている。
2 再任用職員制度改善 地公労 65歳まで年金を受給できない状況となる。しかし、再任用制度発足時には年金が受給できることを前提としている制度で、現状とは前提条件が異なる。物価高騰もあり、明らかに生活は悪化している。ほとんどの再任用職員がフルタイム勤務で、定年前と変わらない状況にある。月例給・手当の改善を行うべきではないか。 県当局 現行の再任用は定年退職をした職員を対象とした再雇用制度である。その給与については職務を基本として民間の再雇用者の給与水準を参考に設定された国の制度に準じたものとなっている。制度導入後は人事委員会が民間の再雇用者の給与水準を調査・研究したうえで、国や他団体の状況等を総合的に勘案し、実施される勧告に則って改定等を行ってきたところであり、適正なものと考えている。退職前と比較して給与は下がることとなるが、現行の再任用職員の給与は民間及び国、他団体の状況等を踏まえた人事委員会勧告に則ったものであり、独自に引上げることは困難であると考えている。 地公労 一時金の支給率も低く抑えられている。今回の勧告でも0.05月の引上げにとどまっている。定年前職員と同様の支給率とすべきではないか。 県当局 定年後の再雇用であり、定年前と異なるものとしている。人事委員会の勧告に尊重する立場である。 地公労 住居手当や扶養手当など生活関連手当の支給を求める。 県当局 現行の再任用導入以降、人事委員会勧告において再任用職員に対して住居手当、扶養手当などの生活関連手当を支給する必要があるという言及はない。国や他団体の状況を踏まえて、支給するような状況にはないと考えている。
3 定年年齢引上げ (1)定年前再任用短時間勤務制度 地公労 定年前再任用短時間勤務職員は、これまで必ずしも全てが任用されたわけではないとの回答であったが、対象者の生活を考えれば、希望者は全員任用すべきと考えるがどうか。 県当局 任用であることから必ず任用するとは申し上げにくい。職員の意思を確認したうえで適切に対応していく。 地公労 任命権者ごとで、定年前再任用短時間勤務職員をどのような配置とするのか。 県当局 職員の人事配置について、一人ひとりが積極性をもって業務にとりくむことができるよう適材適所の考えのもと、意欲・能力・実績・希望などを十分考慮して行っており、定年前再任用短時間勤務職員についてもこのような考えで行うことになると考えている。任命権者における短時間勤務職員の配置については各任命権者において判断するものである。 地公労 千教組の調査で55歳〜59歳職員を対象にしたアンケートで、中間集計ではあるが60歳以降の働き方について、フルタイム希望者は30%に満たない。一方で、教育現場では現在の再任用制度では、予算の都合上ハーフのみであるが、多様な働き方として、他の勤務時間も作るべきではないか。 県当局 教育委員会からは検討中と聞いている。交渉結果を伝えていきたい。 地公労 教育での定年前再任用短時間勤務職員については、県の予算化を十分に行い、教員数が不足しないようにすること。 県当局 教育委員会が必要であれば、検討されることである。交渉結果を伝えていきたい。
4 休暇制度充実 (1)育児休業 地公労 育児・介護休業法が改正され、特に男子の取得率向上をめざしているが、経済的な負担は何ら前進がない。育児休業手当金は、標準報酬月額67%となっている上、さらに上限も規定されている。この支給率の低さが、男性育児休業の取得率を抑制しているのではないか。 県当局 職員が育児休業などをした場合、地方職員共済組合などから支給される育児休業手当金については、地方公務員と共済組合法において育児休業などをした期間が180日に達するまでは標準報酬日額の100分の67を支給することとされている。また、給付の上限額について、同法に規定されているがいずれも民間や国家公務員と同等となっている。育児休業等をした場合には、育児休業手当金の他にも所得税の支払いが不要になることや互助会や共済組合の掛け金が免除になる制度もあり、ある程度の収入が確保されているものであると認識している。 地公労 育児休業を月の前日にわたって取得することで、退職手当の減算になっている。在職期間が35年以下の職員については影響が出ることとなるが、新卒以外の採用者も多くなっている。退職手当の減算をなくすべきではないか。 県当局 制度は国に準じている。国の動きに注視していく。 地公労 育児休業手当金支給後に、通勤手当の返金や、税金の支払いなど、支給前とは違う支払いが生じる。職員が育児休業取得を検討するうえで、必要な情報は、以前よりわかりやすくハンドブックに記されているが、忙しい中60ページの資料を読むのは大変である。手当金や退職金への影響、手当の返金など、金銭的負担になることをリーフレットにわかりやすく掲載し、結婚時や妊娠報告時に配付できないか。 県当局 育児休業を取得した職員について、取得期間によって通勤手当の返金手続きが生じる場合や無給となることに伴い、住民税が普通徴収となる場合がある。これらは育児休業取得のため、通勤行為が一定期間行われなかったことにより発生した通勤手当の過払い分の戻入や千葉県の給与から特別徴収し、市町村に納入していた住民税を職員が無給となり特別徴収ができなくなる場合に本人は納付書により支払うものであり、新たな経済的負担が生じるものではないものと認識している。これらについてはハンドブックに掲載し、周知に努めている。仕事と家庭の両立支援を進めていく上でも、妊娠が判明した職員や子どもが生まれる職員から申入れがあった場合、所属長が各種制度を説明することとしている。現時点で新たなリーフレット等を作成することは考えていないが、様座な機会を通じて職員に周知されるよう伝えていく。
(2)子育て休暇 地公労 学校行事では入学式・授業参観3回・運動会・卒業式と6日間必要であり、風邪などでの看護を含めると7日間では不足する。子が2人なら10日であるが、3人の子なら全く足りない。日数増が必要ではないか。 県当局 皆さんとの話し合いにより、子育て休暇の拡大、看護休暇7日は、全国でも充実している、国や他団体との均衡を考えると困難である。 地公労 孫の育児を必要とする職員も多くなる。孫も子育て休暇に含めるべき。 県当局 親に変わって孫の面倒をみる職員も少なくない。意図はわかるが、国や他団体との均衡を踏まえると子育て休暇の対象者をさらに拡充することは困難である。 地公労 近年異常気象や、コロナ禍で学校などから子どもの迎えを求められる例が少なくない。子どもの安全を確保するために必要であり、子育て対象に含めることはできないか。 県当局 災害時などにおける学校などの要請における送迎が、子どもの安全を確保するために必要であることは理解している。しかし、子育て休暇の対象事由はすでに相当程度拡充しており、国や他団体との均衡を踏まえると子育て休暇をさらに拡充することは困難である。
県当局 改めて、持ち帰って検討をしていきたい。
(3)看護や育児のために退職した場合の復職制度 地公労 経験豊富な職員の確保が必要である。看護休暇の3年や育児休業で子の年齢が3歳を超えて看護等により退職せざるをえなくなった職員・教職員が、その後看護等の要件がなくなった場合に復職できる制度を新設できないか。 県当局 家族の看護や育児は職員にとって重要な問題であると認識している。本県では平成24年度から看護休暇を3年の範囲で取得でき、国や他団体と比べると充実している。育児短時間勤務ができるよう、制度を周知し、働きやすい職場となるよう努めていきたい。
(4)リフレッシュ休暇 地公労 定年引上げにより勤務年数が延長される。リフレッシュ休暇を35年、40年をそれぞれ3日新設するべき。 県当局 千葉県の休暇制度は、他団体比べて遜色ない。さらに増やすには近隣の理解が必要。 地公労 リフレッシュ休暇を使えなかった人に対して、延長はできないか。 県当局 管理の問題がある。難しい。 地公労 定年引上げで勤務年数が延長されたことは、若年層から中堅層にとっては、大きな変化である。リフレッシュ休暇を10年・20年は3日に、30年は5日に日数増をするべきである。 県当局 千葉県は、休暇制度が他県と比べて遜色ない。 櫻井書記長から
県当局 国や他団体の均衡を考えると困難。
(5)夏季休暇拡大 地公労 夏季休暇は、連続休暇の取得をするよう推奨され、休暇取得率も9割以上である。職員にも有効活用されている。7日に延長できないか。 県当局 夏季休暇6日は、全国でも充実している。 地公労 昨年度・今年度は、夏季休暇の取得期間延長を行った。取得期間を6〜10月とするべきではないか。 県当局 夏休みに連続して休暇をとることを目的としている。取得しやすい環境づくりに努めていく。 地公労 夏季休暇取得期間は、任命権者ごとで業務の繁忙期が異なっている。任命権者ごとで、取得期間をきめるべきではないか。 県当局 延長等が望ましいか検討し、任命権者から(知事部局)に話があれば、基本はそろう方が望ましいが、事情があれば任命権者事もありうる。 |
最後に、渡邉議長より「私たち県職員・教職員は、職への責任と誇りを持って働いている。定年が引上げとなる。長く働くことができるようにするには、休暇制度や環境づくりとセットにするべきではないか。次回は、交渉団を集め、交渉をさせていただく。現場の生の声を聞いていただきたい。私たちの要望を受け止めていただきたい。ひたむきに職務に励む職員・教職員が報われるような前進回答を強く求める」と力強く申し入れ、交渉を終えました。
学校現場の実態を千教組本部に届けていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
10月25日(火)、地公労(千葉県地方公務員労働組合共闘会議:千教組・県職労・高教組の3単組、議長:渡邉郁哉千教組中央執行委員長)は、県庁人事課と人事委員会勧告後の最初の交渉を行いました。冒頭、渡邉議長より、「千葉県の総合計画を拝見した。
【~千葉の未来を切り開く~ 『まち』『海・緑』『ひと』がきらめく千葉の実現】私たち千葉県の職員、教職員はこの基本理念に基づき、力を尽くすことが求められていると認識している。職員、教職員の生活が安定し、職務に夢中になれる職場であることが、総合計画にある施策の実現につながっていくと考える。しかしながら、いまだ収束しない感染症への対応や人材不足、物価の高騰、等により、業務は多忙を極め、生活する上での支出は増えており厳しい状況にある。10月13日、県人事委員会勧告が出された。3年ぶりの引き上げ勧告となっているが、充分とは言える内容ではない。職員、教職員の生活の安定と、職務に夢中になれる職場になる提案を求める」と申し入れ、交渉をスタートしました。
交渉の主な内容は、以下のとおりです。
1 人事委員会勧告の取扱い (1)月例給引上げ 地公労 夏季交渉で、月例給・一時金の引上げは人事委員会勧告との回答であった。10月13日に行われた千葉県人事委員会勧告を受けて、どうするのか。 県当局 提案は以下の通り。 <令和4年度人事委員会勧告の取扱い等について(案)> 1 給料表 勧告どおり初任給及び若年層の給料月額を引上げ決定 2 勤勉手当 支給月数を次のとおりに引き上げる。 (1)一般職員 ※期末手当は改定なし (単位:月分)
(2)再任用職員 ※期末手当は改定なし
3 パートタイムの会計年度任用職員 一般職員の改定を踏まえ、期末手当の支給月数を引き上げる。
4 実施時期 令和4年4月1日 ただし、2の令和4年12月期の支給月数については令和4年12月1日から、2の令和5年度以降に係るもの及び3については令和5年4月1日から実施する。
地公労 月例給引上げが若年層のみであり、災害や新型コロナに対応し続けている全職員・全教職員の奮闘からすると、若年層だけではなく、全職員に引上げを行うべきではないか。 県当局 災害や新型コロナウイルス感染症などの事情により、職員・教職員の業務に様々な影響が生じ現在も対応してもらっていることは承知している。本年の勧告は人事委員会において、民間給与との格差の状況及び国の人事院勧告の内容等を総合的に勘案した結果、初任給及び若年層について引上げを行うこととするものである。職員の給与については民間、国や他団体との均衡を考慮して人事委員会が勧告しているものであり、人事委員会の勧告を尊重することが私共の基本的な立場である。 地公労 月例給は若年層だけの勧告だが、理由は何か。 県当局 本年の勧告について人事委員会からは、民間企業における初任給の動向等を踏まえ人事委員勧告の内容に準じて初任給及び若年層について引上げをするものと聞いている。給料表の改定については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。 地公労 関東近県では千葉県の地域手当支給率は低い状況もある。人材確保の面からも地域手当の引上げが必要と考えるがどうか。 県当局 地域手当の支給割合に団体間で差があることは指摘の通りである。地域手当の支給割合については、専門的第三者機関である人事委員会が地域の民間水準をより適切に反映するという地域手当の趣旨を踏まえ、国との均衡や本県の事情を考慮しながら調整、研究したうえで必要な勧告を行ってきたと理解している。私共としては人事委員会の勧告を尊重する立場であり、これまでも勧告に乗っ取って改定等を行ってきたことから、適正なものと認識している。人事委員会が専門的に調査・研究を行った結果、引上げの必要があると判断した場合には勧告が出されるものと考えている。 (2)初任給改善 地公労 勧告での民間企業調査では、地域手当を含めても行政職では全ての試験区分で県職員の初任給が民間の初任給を下回っている。この較差は千葉県を受験することへの障害となるのではないか。 県当局 初任給については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。本年の勧告も専門的第三者機関である人事委員会が調査・研究して総合的に勘案して出されたものであり適当であると認識している。なお、職員採用については、人事委員会であるとか各職種の所管部局ではオンラインでの説明会の開催やSNSを活用した試験情報の発信を行うなど人材の確保に向けて努力しているところである。引き続き必要な人材の確保に向けて各部局とも連携を取りながらとりくんでいきたいと考えている。 地公労 この数年、教職員や専門職で応募者は少ない状況がある。千葉県への受験を選択するに当たり、賃金は大きな要素である。初任給を引上げる必要があると考えるがどうか。 県当局 初任給を含む職員の給与水準については、地方公務員の給与決定ルールとして専門的第三者機関である人事委員会の勧告という制度が設けられているわけであって、私共としてはこれまでと同様に人事委員会の勧告を尊重する立場である。初任給の方は、応募にあたっての判断材料の一つではあると思うが、人事委員会において民間の状況を調査した上で勧告しており適切な水準が示されているというふうに考えている。 地公労 10月から千葉県の最低賃金が時給984円に引き上げられ、過去最大の引き上げ幅であり、職員の月例給に換算すると5000円以上の引上げに相当する。この15年間では最低賃金が39%の引上げの一方で初任給は10%しか引き上げられていない。数年の内には逆転となる可能性もある。初任給の引上げを特別に行う必要があると考えるがどうか。 県当局 近年、最低賃金の引上げが続いていることは承知しているが、初任給を含めて職員の給与というのは最低賃金も踏まえて決定されている。民間の状況を調査して、人事委員会が勧告をしているものと考えている。 (3)中間層の賃金改善 地公労 勧告で、月例給の改定があったのは30歳台半ばまであり、それ以降の年代については触れられていない。県当局としてはどう考えているのか。 人事委 本年の勧告について人事委員会からは、民間企業における初任給の動向等を踏まえながら人事院勧告の内容に準じて、初任給及び若年層について引上げを行うものとするものと聞いている。職員の給与については、民間企業あるいは国や他団体との均衡を考慮して人事委員会が勧告をしているものであって、人事委員会の勧告を尊重するということが私たちの基本的立場である。 地公労 この年代は定期昇給幅が少ない年代であり、社会的には子育て世代で出費が多い世代にある。職場では新人の教育など行い中心的な役割を担っている。引上げを行うべきではないか。 県当局 本年の勧告は、人事委員会において民間企業における初任給の動向等を踏まえながら人事院勧告の内容に準じて、初任給及び若年層について引上げを行うものとするものである。給料表の改定については、人事委員会において民間との比較を行い民間との均衡を基礎としつつ、給料表全体の中でのバランスや全体の公民格差の状況等を総合的に勘案して、必要な勧告を行っているものと理解している。 (4)高齢層職員の賃金改善 地公労 「給与制度の総合的見直し」などで長期間に渡り、高齢層の賃金水準の引上げがない。一方で、業務は年々多忙化している。高齢層の頑張りに応え、モチベーションを維持するためにも賃金改善を行うべきと考えるがどうか。 県当局 これまで「給与制度の総合的見直し」など高齢層職員への影響が大きい見直しがあったことは承知している。職員の皆さんがモチベーションをもって業務に従事してもらうことは重要であると考えているが、職員の給与については法令等の制度的枠組みを踏まえる必要があり、人事委員会の勧告を尊重するということが私たちの基本的立場である。 地公労 定年年齢の引上げにより65歳まで働く制度になり、同じ業務・同じ勤務時間・同じ職責にも関わらず不当にも賃金のみ7割に減額するとしている。55歳以降昇給しない制度の中、60歳以降の給与の算定基礎となる60歳時の給与水準の引上げが必要ではないか。 県当局 60歳を超える職員の給与等の取扱いについては、地方公務員法に定める均衡の原則に基づき国の取扱いに準じて定める必要があるというふうに考えている。国における月額7割措置については、国家公務員の給与を社会一般の情勢に適用する様に民間の給与水準等を参考に当分の間の措置として設定したものというふうにされており、そうした考え方を踏まえて本県においても7割水準とすることが適当であると判断したところである。職員の給与については人事委員会の勧告制度という基本的枠組みがあることに加えて、国は民間事業者の給与等を考慮して定めなければならないとされているところであり、こうした法令等の制度的な枠組みを踏まえて対応していくことが基本であると考えている。 地公労 特に、教育職給料表は、ほとんどの教員が2級に在級するので、昇給に限界がある。高齢層のモチベーション維持のためにも特別昇給を復活できないか。 県当局 教職員の給与に関することについては、教育委員会において任命権者として判断するものというふうに考えている。教育現場に関する要求についてはこれまでも皆さんとの交渉経過を教育委員会に伝えているところであって、本日話があったことについても伝えていきたいと考えている。
(5)一時金引上げ 地公労 一時金は、0.10月の引上げ勧告だが、そもそも2年間で合わせて0.20月の削減となっており、基本賃金が一部に限定された中で、せめて一時金の引上げを0.20月にするべきではないか。 県当局 期末勤勉手当の支給の月数に関しては、人事委員会が昨年の8月から本年の7月までの一年間における民間の賞与等の特別給の支給月数を調査・研究した結果、民間との均衡を図るため判断したものと理解している。職員の給与については法令等の制度的枠組みを踏まえて職員の給与を社会一般の情勢に適応した適正なものとする、人事委員会の勧告に乗っ取って改定を行う必要があると考えている。 地公労 人事委員会勧告では、民間企業の支給率との較差は0.12月であるが、慣例により0.10月の引上げとなっている。昨年は民間格差以上の引下げとなっており、非合理である。せめて、0.12月の引上げとするべき。 県当局 人事委員会の方から期末勤勉手当の支給月数については、民間の特別給の支給状況との均衡を基本として国の支給状況を考慮し判断していくと聞いている。本年の勧告についても専門的第三者機関である人事委員会がそうした事情を総合的に勘案したうえで判断した結果であると理解している。私共としては人事委員会が専門的に調査・研究した結果としての勧告と異なる取り扱いをすることは考えていない。 地公労 この間、引上げは勤勉手当で行われ、引下げは期末手当で行われてきた。今回の提案でも勤勉手当のみで引上げとなっており、職員間の格差拡大につながる。期末手当で引上げを行うべきではないか。 県当局 期末勤勉手当の配分については、人事委員会から国・民間の支給状況を考慮して判断していると聞いている。専門的第三者機関である人事委員会が総合的に勘案したうえで判断した結果であり私共としては人事委員会の勧告を尊重する立場にある。 地公労 今後のスケジュールはどの様に考えているのか。 県当局 今説明した通り、人事委員会勧告の取扱い等については皆さんと話し合いを経て12月議会へ条例案を上程したいと考えている。期末勤勉手当の改正は令和4年12月の支給から、またパートタイムの会計年度任用職員の期末手当の改正は令和5年の6月の支給からそれぞれ適用したいと考えている。回答期限については窓口で示していきたいと考えている。
2 会計年度任用職員制度改善 地公労 地方公務員法が改正され、人事委員会の所掌となっている。他県の人事委員会でも言及がされているところもある。待遇改善を図っていく責務があると考えるがどうか。 県当局 会計年度任用職員制度については、国のマニュアル等を勘案し皆さんとの話し合いを経て決定したところである。現行の会計年度任用職員の報酬については、常勤の職員の給与を勘案して決定することで適正な水準を確保しているというふうに考えているが、引き続き適正な勤務条件の確保にむけて適切に対応していきたいと考えている。 地公労 国の期間業務職員のほとんどは勤勉手当を含めて一時金が支給されている。現在社会的には正規・非正規の均等待遇が求められている。勤勉手当の支給をするべき。 県当局 一般職員や国の期間業務職員には勤勉手当が支給されているということであるが、地方自治法上パートタイムの会計年度任用職員には勤勉手当を支給することができないというふうにされている。なお会計年度任用職員の期末手当の改定にあたっては皆さんからの話を踏まえながら常勤職員との年間支給月数の違いを考慮して昨年も引き下げ幅を縮減するなど一定の配慮をしているところである。 地公労 仮に勤勉手当が支給できないのであれば、現行の期末手当の額に勤勉手当相当額を含んだ額とするべき。 県当局 地方自治法上パートタイムの会計年度任用職員には勤勉手当を支給することができないというふうにされており、現状においては、勤勉手当相当分を報酬や期末手当として支給するということであってもできないと考えている。 地公労 県会議員等特別職には期末手当として、職員の勤勉手当と期末手当の合算額の相当額が支給されている。会計年度任用職員に支給できるのではないか。 県当局 例に出た特別職については、職務であるとか職責といったものから勤務成績に応じた勤勉手当の支給は馴染まないということから、従来より一般職員の期末勤勉手当の年間支給月数との均衡等を踏まえながら期末手当として支給しているところである。一方、パートタイムの会計年度任用職員については、地方自治法上、勤勉手当を支給できないこととされているので現状においては勤勉手当相当分を期末手当として支給することは困難であるというふうに考えている。
3 定年年齢引上げ まずは現場の声から。 櫻井書記長から 千教組は、県内の55歳以上の小中学校の教職員に、「60歳後の生活設計、雇用に関するアンケート」を実施している。10月17日時点の状況について伝える。定年延長し、フルタイムで働きたい、55歳から59歳の教職員は、29%である。退職して、非常勤として働きたい教職員は、17%、まだわからないが35%であった。まだわからない理由としては、定年延長に関してよくわからない。どのような仕事(給料・勤務形態)があるかわからないなどの情報が不十分。今後の生活費等のことについて、よくわからない。自分自身の体力面・気持ちに不安があるなどが多かった。つまり、情報が足りないことで、先が不安で、判断がつけられないこと、大きな理由としてあげられている。 小中学校については、11月に人事異動の個票が配られ、12月には、管理職に提出となる。高校は、10月28日に、県に提出となり、その後、変更があるならば、遅くとも11月中には、管理職に伝えないといけないぐらいだと聞いている。 延長を選ぶとしたら、残りの勤務年数も変わるので、異動対象が関わる在籍年数の教職員は非常に困る。情報提供を早くすること、説明する内容に不足がないよう、時期と周知の仕方について、工夫して進めていただくよう、強く要望する。
地公労 定年引上げの制度が条例化されたが、情報提供を含め、今後のスケジュールはどうなるのか。 県当局 知事部局の情報提供・意思確認については、関係規定を整理した後12月から1月までを目途に実施する予定である。一方、他の任命権者の実施時期については検討しているという状況にあると聞いている。 地公労 情報提供の時期・方法・内容はどうか。また、任命権者ごとに異なる部分はあるのか。 人事委 現在検討中である。他の任命権者においても現在検討中であると聞いている。 櫻井書記長からの要望 通知の仕方は任命権者によってと聞いているが伝えてほしいのは、通知するのが各学校長だとするとそれぞれの方々の言い方によって情報の伝え方が変わってくる可能性がある。通知から通知っていうような形ではなく、教職員全員に一括して通知がなされるように任命権者から直接伝えてほしい。 地公労 今後新規採用をする上で、定年者数の影響があると思うが、退職予定者の調査はどのように行うのか。調査結果を任命権者ごとに公表せよ。 県当局 新規採用者数の検討にあたっては、職種ごとに年齢構成や再任用職員の任用状況などを踏まえて現状分析を行って、定年延長引上げ期間中の退職者数の見通しを立てていきたいと考えている。退職者数の見通しは新規採用者数の検討を行う過程の情報であって公表するということは考えていない。 |
最後に、渡邉議長より「勧告を尊重し、引上げとした提案は、一定評価するものの充分と言えるものはない。給与決定のルールはわからないわけではないが、「民間との均衡」では、人材確保は厳しいのではないでしょうか。人材確保ができた上で、職員、教職員の生活が安定し、職務に夢中になれる職場であることが、総合計画にある施策の実現につながる。総合計画に対する県としての本気度を見せてほしい。これまで私たちが訴えてきた内容をもとに、改善策・具体策の提案を強く求める。」と力強く申し入れ、交渉を終えました。
学校現場の実態を千教組本部に届けていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
連日のとりくみに敬意を表します。千教組は、10月27日、櫻井書記長をはじめ中央執行委員、各支部代表者の参加のもと、千葉県教育委員会と人事異動に関する交渉を行いました。千教組の重点要求項目10項目にわたり、学校現場の声をもとに要望を行い、回答を求めました。
<県教委への主な要望> ※現場の声
①本人の「希望と承諾」を前提とした人事異動、対象者に寄り添った管理職の丁寧な対応
②初任研対象者と臨時的任用講師の配置バランスや経験年数の考慮
※市原市支部 田中書記長より「初任者研修対象者と若年層講師の配置について」
③一人職種における初任者研修に係る非常勤講師の4月1日からの配置
※養護教員部 木原部長より「初任者指導教員4月1日からの配置の必要性について」
④新卒の講師等、経験の浅い講師への指導教員の配置
※山武支部 木村書記長より「経験の浅い講師への指導教員の配置について」
⑤定数内臨採の解消
⑥教員採用候補者選考の教職経験者、元教諭特例の更なる充実
⑦定年引上げの早めの情報提供及び任命権者による説明
⑧教職員の未配置問題解消に向けた実効性ある方策
⑨休眠状態の旧免許状所有者への周知、再授与申請手続きの簡素化
⑩定年後の人材確保に向けた、雇用条件等の説明会の開催
<県教委からの主な回答>
①個別の事情や希望を十分に聞いた上で、丁寧な対応をしていく。 ②様々なことを勘案する中に職員構成も含まれる。まずは配置をすることを第一に考える。 ③配置が必要とされる期間に配置をすることが重要。当初配置が必要ことは理解できる。 ④現場の状況から必要感は理解できる。学校現場でのフォローをお願いしたい。 ⑤やむを得ず、臨時的任用者を配置してるが、特定の学校に連続配置とならないように努める。 ⑥教員採用候補者選考の選考方法等については、今後も充実させていくよう検討している。 ⑦職員が定年延長に係る内容を十分に理解できるような説明会の開催などにむけて、時期や対象範囲を検討中である。 ⑧様々な工夫により採用選考志願者が9年ぶりに増加した。今後も講師確保に努めるとともに、計画的な正規教員採用を進め未配置の解消に努める。 ⑨様々な方法での周知活動を今後とも続けていく。また、再授与申請手続きはできるだけ簡素化できるように検討していく。 |
わたしたち教職員にとって、人事異動は非常に大きなことです。組合員のメリットは、相談できることです。家族のことや自身のことなどでご心配な方は、各支部で人事異動の相談ができます。ぜひお問い合わせください。
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交渉の終わりに、櫻井書記長は「様々な代替職員不足の解消が大きな課題である。採用選考などの工夫だけでなく、大量退職の緩和が鍵となる。続けて働こうと思うのに重要なのは『職場の雰囲気』だと考える。そのために行政・管理職・千教組で力を合わせる必要がある。また、増え続ける若年層教職員のフォローは現場だけでは解決できない状況にある。フォローをした職員自身が業務過多で倒れることも実際起きている。今までの常識を変える方策を打たないと解決できない。制度そのものの改正など検討していただきたい。最後になるが、千教組は教職員の人事異動を重要視している。異動する本人の仕事や生活だけでなく、同僚や学校全体にも大きく影響を与えるからである。『個人の事情や要望を十分に聞いた丁寧な人事異動』が県全体で行われるよう引き続きご尽力いただきたい」と申し述べ交渉を終わりました。
10月6日(木)、地公労(千葉県地方公務員労働組合共闘会議:千教組・県職労・高教組の3単組、議長:渡邉郁哉千教組中央執行委員長)は、千葉県人事委員会への署名提出後の交渉を行いました。冒頭、渡邉議長より、「ただいま24,151筆の署名を提出した。署名の数に加えてその一筆一筆に、職員教職員の想い、願い、が込められている。ぜひ重く受け止めていただきたい。これまでの交渉では、人事委員会からは「国や民間企業の動向を踏まえて」等の回答があったが、職員や教職員の実態により沿うものではなかった。人事委員会は、条例により設置された中立な人事行政機関である。国や民間企業、他団体だけではなく、現場の職員、教職員の実態にもしっかり目を向けていただき、私たちが納得できる回答を求める」と申し入れ、交渉をスタートしました。
交渉の主な内容は、以下のとおりです。
地公労 最初に現場の声を伝えます。
<千教組から若年層・高齢層の現場実態の状況と要望>
地公労 最初に現場の声を伝えます。 <千教組から若年層・高齢層の現場実態の状況と要望> 〇市川市支部の声 市川市の学校に勤めている若手の教職員複数から聞くと、学校内は、40代の中間層が少なく、経験の少ない若手にも、多くの校務分掌があり、帰りが遅くなる日々が続いている。一人暮らしをしていると、家賃の支払いに加え、夕飯を作る余裕もなく、コンビニや外食が増えて、生活費が苦しくなってしまう。明日の授業をより充実したいと考えると、自腹を切って道具などを購入することもある。これからの生活を考えても貯蓄は必要ですが、とても難しい。周囲の仲間からも同じようなことを聞いている。そのような中、昨年度のボーナスの引下げは、非常にモチベーションが下がった。「毎日頑張っているのに、なんで下がるのか…」そんな落胆した声を学校内でも聞いた。また、職場で、55歳から昇給が停止される、再任用、定年延長をすると、給料が7割程度になるということを聞いた。20年後、私たちがベテラン層になったとき、どうなってしまうのだろう。とても心配をしている。 市川市は、東京都に近く、再任用や講師は、この地区に住んでいるのに、東京に勤務することも聞く。給料・手当が高いからである。学校は、代替の職員が来なくてさらに苦労している。松戸市・柏市など東葛飾地区も同じ悩みを抱えているとのことである。何とかしてほしい。 千教組は、県内の55歳以上の教職員に、「60歳後の生活設計、雇用に関するアンケート」を実施している。10月3日時点の状況について伝える。 ・定年延長し、フルタイムで働きたい、55歳から59歳の教職員は、27%。 ・現在、再任用をしている教職員に、来年度フルタイムを希望するか質問したところ、希望したいと答えているのは、44%、半分以下である。 この数値がどれだけ危険なことかわかるか? 理由として最も多いのは、「自分自身の体力面・気持ちに不安ある」とのこと。学校は、校内の職員数が絶対的に足りないので、ベテラン層・60歳以降になっても、業務を軽減することが難しい現状である。そこに、給与が下がる。 先ほどの現場の不安な声・気持ちは、全県の教職員の気持ちである。それを払拭するためにやるべきことは、教職員全体の処遇をよくすること、特に若年層・ベテラン層に具体的な改善を示すこと。そして、総実労働をきちんと把握し、改善にむけて、教職員の人員を増やすことである。 人事委員会の皆さん、学校の状況をきちんと把握していただきたい。そして、その現状の改善にむかう、適切な勧告を強くお願いしたい。
1 基本賃金引上げ (1)基本給引上げ 地公労 2年以上続く新型コロナウイルスへの対応で、感染リスクがある中で日々業務を行い、これまでにない状況に耐えている。また、物価高騰の中、生活は困難になっている。職員のモチベーションを維持するためにも賃金水準の引上げが必要と考えるがどうか。 人事委 職員の給与は地方公務員法に定める給与の決定原則に基づいて決定している。人事委員会の勧告は、職員の給与を社会一般の情勢に適応した適正なものとするため、民間企業の従業員の給与等を調査し実施している。本年の勧告についてもこのような趣旨に則って適切に対応していく。 地公労 これまで、給料表全体のバランス、国や他県との均衡等を理由としてきたが、地域手当の支給率も違い、また、首都圏では千葉県が最も支給率低い状況であり、千葉県として独自に判断すべきではないか。 人事委 今話があった、他の団体の地域手当の状況も認識はしている。繰り返しになるが、職員の給与は地方公務員法に定める給与の決定原則に基づいて決定している。民間企業の従業員の給与水準を調査した結果を精査して適切に対応していく。 (2)初任給引上げ 地公労 人事院の民間企業調査では、上級・中級・初級とも民間企業の初任給を下回っている。給与改定では民間賃金との情勢適用の原則を理由の水準の引下げを行うこともある。初任給を引上げるべきではないか。 人事委 初任給または若年層の給与については、民間との均衡を基礎としつつ給料表全体の中でのバランス、また全体の公民格差を総合的に勘案して決定しているものである。民間の状況、また国の動向を踏まえて適切に対応していく。 地公労 今年最低賃金の引上げは過去最大で、千葉県の最低賃金引き上げからすると 5,000円以上の引上げに相当する。この15年間では最低賃金が39%の引上げの一方で初任給は7.8%しか引上げられていない。数年の内には逆転となる可能性もある。初任給の引上げを特別に行う必要があると考えるがどうか。 人事委 最低賃金が引上げられていることについては承知している。給料表の改定については、初任給または若年層を含めた給料表全体の中でのバランスを配慮して、全体の公民格差を総合的に勘案して決定する必要があるものと考えている。 地公労 最低賃金法は公務員には適用除外となっているが、県職員・教職員の給料が最低賃金を下回ることは問題があると考えるが認識はどうか。 人事委 最低賃金法の適用は一般職の地方公務員にはない。ただ、最低賃金に関する動向については注視して民間調査の結果などを踏まえて適切に対応していく (3)中間層の賃金改善 地公労 人事院勧告で、改定があったのは30歳台半ばまであるが、定期昇給幅が少ない年代であり、社会的には子育て世代で出費が多い世代にある。職場では新人の教育など行い中心的な役割を担っている。引上げを行うべきではないか。 人事委 本年の勧告については、民間給与の実態調査の結果を踏まえて、地方公務員法に定める給与決定の原則に則って適切に対応していく。 (4)高齢層の賃金改善 地公労 この間給与制度の見直しなど政策的に高齢層の賃金水準が引き下げられてきた。その結果、高齢層職員は、職場で多忙な状態にあるにも関わらず長期間賃金水準が上がらないこととなっている。高齢層職員の賃金水準の引上げが必要と考えるがどうか。 人事委 高齢層の職員、50歳代後半層については職員の給与が民間の給与を上回っているという状況を考慮して給与制度の総合的な見直しによって国と同様に世代間との給与配分の適正化を図ってきたところである。高齢層の職員を含めて、職員の給与は地方公務員法に定める給与の決定原則に基づき決定すべきものであるということになっている。民間企業などの状況を踏まえて適切に対応していく。 地公労 定年引上げにより、65歳まで働く制度となるが、55歳以降昇給がなくなり、60歳でさらに7割賃金となる。高齢層が働き続けるモチベーションのためにも、教育職の特別昇給を復活できないか。 人事院 地方公務員法では、人事評価の結果を給与等の人事会議の基礎として活用するものとされている。本県においても、従前あった特別昇給を廃止して人事評価の結果を昇給に反映しているところである。
2 一時金改善 地公労 人事院の勧告では、0.10月引上げるとしているが、2年間で引き下げられた0.20月に及ばない。基本賃金の引上げが一部に限定された中で、せめて一時金の引上げを0.20月勧告するべき。 人事委 期末勤勉の支給の月数に関しては、前年の8月から当年の7月までの民間の特別給の支給状況との均衡を基本として、国の資金状況も考慮して改定をしている。本年についても民間給与実態調査の結果を踏まえて適切に対応していく。 地公労 この間、引上げは勤勉手当で行われ、引下げは期末手当で行われてきた。今回の人事院の勧告でも勤勉手当のみで引上げとなっており、職員間の格差拡大につながる。期末手当で引上げを行うべきではないか。 人事委 期末勤勉手当をどう配当するか配分については、国・民間の支給状況を考慮して改定をしてきているところである。本年についてもこういった状況を踏まえて適切に対応していく。 地公労 人事院勧告では、民間企業の支給率との較差は0.11月であるが、慣例により0.10月の引上げとなっている。昨年は民間格差以上の引下げとなっており、非合理である。せめて、0.10月の引上げとするべき。 人事委 国において、期末勤勉手当の前回の支給月数、従来から民間賞与の年間支給割合と0.05月の単位で均衡するように改定をしてきているところである。本県においても、これまで国と同様に0.05月単位で改定をしてきたところである。本年も民間との格差を踏まえて適切に対応していく。
3 長時間労働の是正・適切な労働時間管理 (1)学校現場の多忙化解消 地公労 昨年度の教育委員会の実態調査を人事委員会として把握しているか、また、その結果の分析と人事委員会として是正に向けた具体的な改善をどう言及しているのか。 人事委 昨年度、令和3年度の教員等の出退勤時刻の実態調査については、令和4年度2月に公表され発表している。本年の人事委員会の報告の内容については現在検討しているところである。 地公労 千葉県の調査では、時間外勤務に持ち帰り残業を含めていないが、厚労省の調査では持ち帰り残業を含めて調査をしている。テレワークの観点からも、持ち帰り残業も時間外勤務に相当すると思うが、調査方法として問題はないのか。 人事委 本県の教育委員会の調査については、学校における業務改善推進に向けて基礎的なデータを得ることを目的として実施したものと承知している。具体的な調査方法、どうやってその時間を把握するかについては学校を所管している教育委員会において判断するものであると考えている。 櫻井書記長からの質問 その点について、人事委員会の方から教育委員会に持ち帰り時間について調査するように伝えることができないのか。教育委員会にお任せなのか。 人事委 調査についてどうしたらいいかというのは適当ではないと考える。持ち帰りの仕事をどうとらえるかという考えた方は伝えていきたいと考える 地公労 調査結果や時間外業務の状況からすると、人員配置は適切に行われていると言えるのか。 人事委 多忙になっていることは承知している。人員配置については、業務の状況を把握する任命権者において判断するべきだと考えている。 (2)知事部局の災害などでの時間外勤務の制限時間の適用除外 地公労 長期化している新型コロナウイルス対応で、過労死ラインと言われる月80時間を超える時間外勤務を長期間行っている現状を認識しているか。 人事委 新型コロナウイルスの対応などで、月80時間を超える時間外勤務をしている職員が生じている状況は認識している。感染症対策については、長期にわたって継続している。任命権者においては、職員の健康に留意して過度の負担がないように業務に従事させることが必要だと考えている。 地公労 コロナ対応での長時間勤務は、労働基準法33条の適応除外となっているが、3年目となっており、法の適応に問題があると思うが、どのように認識しているのか。 人事委 労働基準法33条、災害その他、避けることのできない事象において、臨時の必要がある場合について、この許可または届け出の対象となりうる機関これについては厚生労働省から考え方が発信されている。これによると必ずしも災害発生直後に限られるものではないというように指示されているところである。新型コロナウイルス感染症対策、これは感染症の終息がなかなか見通せないということで継続的な対応が求められている。やむを得ず時間外勤務を命じなければならない場合もあると思うが職員に過度な負担が生じることがないよう業務に従事していただくことが必要だと考える。 地公労 コロナ禍となり、これまでにない時間外勤務の状況に、何らかの改善の方向性を示すべきではないか。 人事委 何らかの職員の健康を考えた体制を組んだり業務を工夫したりすることは必要である。実際どのようなことをやるかというと、実態や状況を知っている任命権者が具体的なことをやるべきだと考える。こうした状況を踏まえたうえで現在検討しているところである。
4 再任用職員制度改善 地公労 制度導入から長期間が経過し、年金の比例報酬部分の支給やフルタイム勤務が主流となっている勤務実態、ここ数年の職場の多忙化から時間外勤務をせざるを得ない実態など多くの変化が生じている。現在の実態に合わせて、基本給の引上げや生活関連手当の支給、一時金の支給月数引上げなど制度改善を行う必要があると考えるがどうか。 人事委 再任用職員の給与については、法で定める均衡の原則に則って民間の再雇用者の給与水準を参考として設定された、この国に準じて設定されているものである。また、その後についても国と同様に、定年前の職員に準じて必要な改定を行ってきているので適正なものと認識している。 地公労 定年引上げにより、暫定再任用制度が導入されるが、過渡期にある年代にとっては、2段階で基本給の引下げが行われる。暫定再任用の基本給を改善するべきではないか。 人事委 定年引上げ後の給与制度については、地方公務員法に定める均衡の原則に基づき国家公務員の取り扱いを考慮して適切な措置を講ずる必要があると考えている。国は定年の段階的な引上げを行う期間中、定年から65歳までの間の再任用制度、現行の制度と同様のものとすることとしている。このことを踏まえる必要があると考えている。
5 両立支援制度拡充 地公労 男性の育児休業取得促進に取り組んでいるが、目標値に到達していない。また、制度利用によって、退職金に不利益があってはならないと考える。人事委員会としてはどのように認識しているのか。 人事委 育児休業期間の除算の取り扱いについては任命権者において判断するものというふうに考えている。その取り扱いも含めて、本県の退職手当制度については国や他団体の均衡を考慮して国に準じているものと認識している。任命権者においては、こういった手当、給与面、取り扱いを含めて育児休業に関する情報を職員に周知しているところである。育児休業という制度をより取得しやすい環境整備に努めるということが必要であると考えている。 地公労 定年引上げで勤続年数が延長されるが、育児や特に介護での制度の拡充が必要ではないか。 人事委 育児介護で育児については、本年10月から育児休業法の改正により取得回数の制限が緩和される。また、育児参加間の休暇、退職機関の拡大といったもので制度の拡充措置が講じられている。介護のついては、介護を要する家族の方、職員の方が増加していくことが見込まれている。その対応については国、他の団体の状況を踏まえて適切に対応していく。 櫻井書記長からの発言 この制度が進むことは本当にありがたいと思う。その分、これを使いやすくするために代替の確保が非常に重要になってくる。その点についてもぜひ考慮してほしい。 6 再任用職員制度改善 地公労 地方公務員法が改正され、人事委員会の所掌となっている。他県の人事委員会でも言及がされている。待遇改善を図っていく責務があると考えるがどうか。 人事委 会計年度任用職員の給与改定については、総務省のマニュアルにより、常勤職員の給与改定にかかる取り扱いに準じて改定する。これが基本となっている。各団体の実状に応じて適切に判断すると示されている。常勤職員の給与改定については、勧告などで言及しているところである。会計年度任用職員については、任命権者においてそれに準じて適切に判断されるものと考えている。 地公労 人事院では一般職の一時金に引上げの勧告があった。前回の給与課長交渉で、会計年度任用職員の一時金引上げについて、適切に判断していると回答があった。仮に、一般職員が引上げとなり、会計年度任用職員が引上げにならなかった場合は不合理と思うが、どのように考えているか。 人事委 会計年度任用職員の一時金の支給割合については、常勤職員と異なるというところである。任命権者において常勤の職員の改定状況を踏まえて適切に判断しているものだと考えている。 地公労 国の期間業務職員のほとんどは勤勉手当を含めて一時金が支給されている。現在社会的には正規・非正規の均等待遇が求められている。勤勉手当支給に向けての言及をすべきではないか。 人事委 現時点においては、地方自治法の規定により会計年度任用職員に対して勤勉手当を支給することができないというものとされている。 地公労 仮に勤勉手当が支給できないのであれば、現行の期末手当の額を勤勉手当相当額を含んだ額とし、会計年度任用職員の一時金についても、引上げについて言及していただきたい。 人事委 会計年度任用職員に対しては、地方自治法において期末手当を支給できるとされている。その支給月数については、常勤職員の改定状況を踏まえて適切に判断しているものと考えている。 地公労 県会議員等特別職には期末手当として、職員の勤勉手当と期末手当の合算額の相当額が支給されている。会計年度任用職員に支給できるのではないか。 人事委 特別職の期末手当の支給割合については、知事、議員の判断を反映したうえで議会の審議を経て条例により決定されているものと認識している。一般職である会計年度任用職員の期末手当については、同じ一般職の常勤職員の期末手当を踏まえた支給割合とすることが適当であると考えている。 |
最後に、渡邉議長より「交渉の前段で24,151筆の署名を提出した。再度申し上げるが、署名のその一筆一筆に職員教職員の想い、願い、が込められている。加えて本日の交渉の中でも、現場の様子、職員の声を発言した。人材不足による職場の困難さ、定年引上げに関わる不安、生活の苦しさ等、受け止めていただけたか?職員、教職員が、「県民、子どもたちのために、誇りと働きがいをもって仕事に専念できる生活環境・職場環境づくり」を念頭においた勧告を強く求める。」と力強く申し入れ、交渉を終えました。
学校現場の実態を千教組本部に届けていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
9月6日(火)、地公労(千葉県地方公務員労働組合共闘会議:千教組・県職労・高教組の3単組、議長:渡邉郁哉千教組中央執行委員長)は、千葉県人事委員会への緊急要請書の提出後の交渉を行いました。冒頭、渡邉議長より、「8月8日に人事院勧告があり、3年ぶりに月例給、ボーナスともに引上げとなる勧告であった。特に初任給の引き上げを中心とする若年層の改善としたことは、人材確保につながる可能性があり一定の評価をしている。しかしながら、物価の上昇がとまらず、職員、教職員の生活を圧迫している中であり、全世代において賃金の引き上げが必要である。千葉県人事委員会においては、われわれの勤務実態を直視し、職員、教職員が誇りと働きがいをもって、県民、子どもたちのために、仕事に専念できる生活環境・職場環境づくりを念頭においた勧告を強く求める」と申し入れ、交渉をスタートしました。
交渉の主な内容は、以下のとおりです。
1 県職員・教職員の生活改善につながる大幅賃上げ (1)人事院勧告について 地公労 人事院は8月8日に月例給は3年ぶりに若年層を中心に平均0.3%引上げを勧告したが多くの職員は改定されない。職員の生活改善のためにも全職員の基本給の大幅引き上げが必要と考えるがどうか。 人事委 職員の給与に関しては、地方公務員法に定める給与の決定原則に基づき決定すべきものである。人事委員会勧告は、職員の給与を社会一般の情勢に適応した適正なものとするため民間企業従業員の給与等の調査を実施している。今年度勧告にあたってもそのような趣旨にのっとり適切に対応していきたいと考えている。 地公労 今年、人事院が、1級から5級の20代~30代前半の職員に焦点を当てて引上げを勧告した。1~3級は県でもある程度該当するが、4、5級については、該当者はいない。その原資を全職員に引上げることは可能ではないか。 人事委 原資という質問だけれども、実際に職員がいなければ原資がないということにはなるかと思うが、ただ話に合ったことは国の勧告以上に引上げをということだと思うので、回答すると今年の勧告について現在民間給与実態調査結果を集計して精査しているところである。月例給の引上げについてどうするかも含めて、現時点で申し上げる状況にはないが、適切に対応していきたいと考えている。 地公労 給料の決定は、情勢適応の原則に基づくというが、現在、物価の上昇に基づき、職員の生活は困難になっている。情勢適応の原則からすると今こそ、給料引上げが必要ではないか。 人事委 職員の給与については給与の決定原則に基づき決定するところにあるので、人事委員会としては、社会一般の情勢に適応した適正なものとするために民間企業従業員の給与等の調査を行っている。また、職員給与については人件費等それ以外にも国や他団体等の均衡というような考え方もあるので、いずれにしても民間企業実態調査の結果をしっかりと精査したうえで対応していきたいと思っている。 地公労 人事院勧告では、一時金について民間企業の支給率との格差が0.11月あるとし、0.10月分の引上げを勧告した。昨年、一昨年と合わせると、0.2月の引下げとなっており、今回の0.10月の引上げでは不十分と言わざるを得ない。0.2月の引上げを勧告していただきたい。 人事委 期末勤勉手当の支給月数については、これまで民間の特別給の支給状況との均衡をはかるということを基本としている。今年の民間の調査結果を精査しているので、こちらも同様の対応をしていきたいと考えている。 地公労 仮に人事委員会で一時金について引き上げの勧告がされるとしたならば、12月支給の一時金から反映される勧告とすることでよいか。 人事委 勧告の内容を精査しているところである。現時点では具体的に申し上げる内容はない。精査した内容を踏まえて対応していく。
(2)初任給改善 地公労 2年間も給料表の改定がなく、初任給は最低賃金を下回る状況である。勧告では引上げはあったものの、基本給のみでは最低賃金を下回る内容である。情勢適用の原則からも引上げる必要があると思われるが、検討状況はどうか。 人事委 最低賃金との比較ということで、どのような計算方法で比較するかということにもよるかと思うが、現在の高卒行政の初任給が必ずしも最低賃金を下回っているかどうかという認識はないが、ただ最近最低賃金が上がっている状況は承知している。現在、民間企業実態調査の結果を集計しているので、初任給の基準についても給与の決定原則に基づいて適切に対応していきたいと考えている。 地公労 知事部局も教育委員会も、新規の応募が年々減少傾向にあり、特に教育や専門職で顕著である。人材確保の点からも初任給を改善するよう勧告できないか。 人事委 近年は少子化等に伴い若年人口が減少していて、就労意識も変わってきている。そのような中で、初任給、若年層の給与については民間との均衡を基礎としているこれまでの考え方、また給料表全体の中でのバランスや公民格差を全体として総合的に勘案している。今年、既に人事院の勧告が出ているが国の動向なども踏まえて適切に対応していきたいと考えている。
2 定年引上げ・再任用制度改善 地公労 年金支給年齢引上げに伴い定年引上げとなり、2023年度から定年が61歳に引き上げられることとなった。定年年齢が引き上げられても、これまでの再任用制度と同様に勤務時間、職務内容、職責が同じにも関わらず賃金は、定年年齢引上げでは60歳時の70%、暫定再任用、または、定年前再任用短時間勤務ではさらに低い水準となる。地公法の職務給の原則からも不合理だ。同一の賃金水準とすべきだ。 人事委 定年引上げ後の給与制度については、地方公務員法に定める均衡の原則に基づいて、国家公務員の取り扱いを考慮する必要があると考えている。また、新たに定年前再任用職員や暫定再任用職員という形があるが、給与についても国に準じて現行の再任用制度と同様の扱いにすると聞いている。現行の再任用制度の給与水準についても民間の再雇用者の給与水準を参考に設定されたものだと認識している。 地公労 民間企業の高齢期雇用の調査結果では、非管理職では76%と60歳時の70%を上回っていると思われる。70%の水準は人事院の意見の申出時点での民間調査結果によるもので、現状とは違うのではないか。 人事委 人事院では平成30年以前の申し出において定年引上げ後の60歳を超える職員の給与水準については、職種別民間企業実態調査のみではなく賃金構造基本統計調査を踏まえて7割に設定したもの承知している。意見の申出以降、国においても、定年延長に関わる法も改正されたけれども、これまでのところ7割の水準を見直すということはされていないと思う。また、7割水準の設定については、当分の間の措置ということで、国や民間企業の動向を踏まえ60歳前の給与額も踏まえその在り方を検討するとしているので、県としてもその状況を注視していきたいと考えている。 地公労 高齢層の賃金については、人事院において、取り組み事項として、65歳定年を見据えた60歳前・60歳超の給与カーブについてあげている。60歳以降に7割になることを考えると55歳超の職員の昇給抑制となったが、むしろ引上げを行うべきではないか。 人事委 55歳を超える職員の昇給については、平成26年度から原則として停止としていたが、当分の間の措置ということで、本県の事情等を踏まえ標準の職務成績でも1号給昇給するという形をしていた。昨年の人事委員会勧告については、50歳代後半層の職員の給与が民間を上回っている状況が認められた。また多くの他団体については、標準の勤務成績で昇給停止しているということもあり、国に準じて当該措置を廃止するように勧告したところである。 地公労 また、過渡的に再任用制度が残ることになる。年齢によっては、60歳から2段階の賃下げとなる。再任用制度の改善を行う必要があると考えるがどうか。 人事委 国において定年の段階的な引上げを行う期間中は、定年から65歳までの間の再任用制度は現行の制度と同じようにするとしている。現行の再任用職員の給与については、国に準じているところである。今後の再任用制度の在り方については、国や他団体の状況を踏まえて注視していきたいと考えている。 地公労 再任用の住居手当や扶養手当の支給と一時金の支給率引上げを行う必要があると考えるがどうか。 人事委 現行の再任用職員の給与については、法に定めらえている均衡の原則にのっとって国に準じているところである。私どもについても今後、国の動きを注視しながら検討していきたいと考えている。
3 労働条件改善 (1)総労働時間短縮 地公労 学校現場に年間を通じた「変形労働時間制」が導入できる制度改正が行われた。しかし、学校現場での長時間労働は人員不足と業務増が大きな要因である。仮に閑散期の労働時間を短くしても根本的な解決にはならない。導入は行うべきでないと考えるがどうか。 人事委 学校現場の変形労働時間制については、学校における働き方改革を進める方策の一つであると思っている。長期休業期間中に休日を集中して確保することで教職員のリフレッシュの時間を確保し、児童生徒に対して効果的な教育活動につながっていくことを期待している。ただ、本制度の活用にあたっては、規則に定められた勤務時間を超えないことなどの条件を満たすとともに、学校においては長期休業期間の業務量の縮減を図る措置を講ずることとしている。そうした措置をしたうえで、導入をされるものと認識している。 地公労 人事委員会規則の上限時間を超える事例が複数出ている実態をどう認識するか。 人事委 人事委員会規則においては、災害、その他避けることのできない事由よって臨時の必要がある場合には、所属長は上限時間を超えて時間外勤務を命じることとされている。特に、令和3年度について任命権者からは、新型コロナウイルス感染症対策や鳥インフルエンザウイルスに関わる防疫作業のために上限時間を超える時間外勤務が発生したということを聞いている。こうした災害等への対応において上限時間を超えてしまうということはありうるかもしれないが、職員の負担軽減、健康保持等ためを考えると必要最小限の時間外勤務とすることが必要と考えている。 地公労 労働基準法第36条協定締結職場のうち、教育・調査・研究機関は人事委員会が職権を行使する機関である。定期的な検査などを行うべきではないか。 人事委 当委員会では、毎年、勤務条件実態調査を行い職権行使の対象となる所属において、例えば36協定の状況、職員の執務室の環境などについて一定の所属を抽出して、数年のうちに一度は調査対象になるようなかたちで調査を実施している。また、これ以外にも任命権者を通じて時間外勤務の状況を確認している。勤務条件実態調査の該当とならなかった所属においても、時間外勤務については状況を確認してその状況に応じて、例えば36協定の届け出内容と照合するなどの確認を行っているところである。 地公労 高等学校、特別支援学校も対象事業所となっている36協定締結状況などの確認は行っているのか。 人事委 36協定の締結に関しては、県立の高等学校や特別支援学校の事務職員の方も36協定の対象職員となるので、各学校において36協定を締結したうえで、当委員会に届け出る必要がある。対象となる学校等からはすべて当委員会に届け出をいただいている。 地公労 人事委員会規則においても、時間外勤務があった年度末の6か月以内に、要因の整理、分析および検証を行わなければいけないとある。検証を行っているのか。 人事委 災害などにより上限時間を超えて時間外勤務を命じた場合には、任命権者はその要因の整理、分析及び検証を行って結果を人事委員会のほうに翌年度報告するように規則、また通知等で定めている。令和3年度の報告によると上限時間を超えて時間外勤務を命じられた主な理由は、新型コロナウイルス感染症対策や鳥インフルエンザウイルスに関わる防疫作業等によるもので、こうしたものに対して人員配置や業務分担の見直しを行ったものの、特例業務ということで命じざるをえなかったという検証が行われているところである。 地公労 規則の遵守のためにも管理職員への罰則規定などを設ける必要があると思うがどうか。 人事委 現在、罰則規定というかたちはないが、管理職員のマネジメント能力という観点で適切な勤務時間管理などは人事評価の項目としている。そのため適切な勤務時間の管理ができていないということであれば、勤務時間規則を守られていないということにもつながるので、結果的にその管理職員がマイナスの評価を受けることもあると考えている。一方で災害対応などなかなか予想もつかないところもあるので一律の罰則規定は難しい。 地公労 36協定締結の対象外となっている本庁などについても規則の運用状況を定期的に確認すべきではないか。 人事委 本庁は36協定の締結の対象外であるが、先ほど話した勤務条件実態調査については本庁も対象として、毎年ではないが実施している。また、例年各本庁についても時間外勤務の状況を任命権者に確認しているので、勤務時間規則の運用状況も確認をしている。 地公労 本年度報告において、学校現場の具体的な長時間労働の解消手段に言及するとともに、人員増など具体的にも言及すべきではないか。 人事委 学校現場のことについても、これまでも話を頂戴しているところである。今年度も校務運営に関する報告をどのような内容にするか現在検討しているところで、今日の時点で申し上げることは難しい。
4 会計年度任用職員制度 地公労 人事委員会として、地方公務員法適用の職員となったので、民間の給与水準調査を行う必要があると考える。他県ではより積極的な報告を行っている人事委員会もある。一歩踏み込んだ対応が必要と考えるがどうか。 人事委 会計年度任用職員の給与改定についても、総務省のマニュアルにおいて常勤職員の給与改定に関わる取り扱いに準じて改定することが基本と定められていて、また各団体の実情に応じて適切に判断するものともされている。常勤職員の給与改定については、委員会としても報告勧告で言及しているところである。会計年度任用職員については、任命権者においてそれを踏まえ適切に判断してもらえるものと考えている。 地公労 昨年度、会計年度任用職員制度導入時の正規職員と会計年度任用職員の比率が、今後一時金支給率に適応すると当局と交渉した。今回、人事院の勧告では正規職員の一時金の引上げがあったが、人事委員会で引上げの勧告があった際には、会計年度任用職員も引上げになるということで良いか。 人事委 会計年度任用職員の給与、期末手当の改定に関わる件は、任命権者において常勤職員の改定状況を踏まえて適切に判断してもらえるものと考えている。 地公労 特に、今年度の募集でも専門職では応募がない状況が多数発生している。賃金水準引き上げが必要ではないか。 人事委 会計年度任用職員の報酬について、任命権者において常勤職員の改定状況を踏まえて決定するというのが基本的な考え方である。ただ、人材の確保で難しいという職種があるということであるので、まず状況を知っている任命権者において応募者がいない要因、賃金なのかどうなのかということを検討して分析したうえで判断するものだと考えている。 地公労 最後に現場の状況を話します。 <千教組から現場実態の状況と要望> 人材確保についてという点で要望する。学校は、毎年、多くの教職員の欠員がある。現在も教職員の欠員補充が見つからず、大変苦労している学校が少なくない。休職者が出た場合、その補充者が見つからず、教頭が担任をしている学校もある。 千葉県は、教職員の年齢構成に波があり、中心として働く40代~50代前半の教職員が少なく、経験の浅い若年層が学年主任をしたり、未経験の初任・講師が校内に複数いたりなど、若年層のフォローが厳しい状態となっている学校が多い。その分、定年間近のベテラン層が多くの仕事を抱えて、踏ん張っている状況となっている。 今の状況は異常である。欠員があることが異常。学校は、欠員がなくても多忙なの に、さらに拍車がかかっている。代替がいないことを気にして、妊娠したことを伝えることをためらってしまう教職員もいる。本当に厳しい状況である。せめて、定員数を満たす状態にしてほしい。 欠員をなくすための1つ目として、60歳を終えた多くの方が、フルタイムで再任用、定年延長を選択し大量退職を防ぐこと。2つ目として、安定した採用数に対して、今以上に志願者がいる状態にすること。これしかない。 しかし、再任用フルタイムを勤務する人は、決して多くない。定年を延長する人がどれだけいるかも心配である。今後も60歳を終えて、大量に退職になると、学校はますます厳しい状況に陥る。それらを改善するためにも、今の状況を人事委員会の皆さんにきちんと把握していただきたい。そして、改善案として、再任用、定年を延長する方々の賃金・処遇の改善につながる勧告をしていただきたい。 もう一つ、今回の人事院の勧告では、若年層の給与を上げる勧告があった。現在頑張っている若年層の教職員には、期待感が上がる話であった。 しかし、人材確保の点では、民間の若い世代と比べるとその差がまだまだ低いことを聞いている。千葉県は、近隣の県と比べると地域手当も低い。他県に近い学生は、県内を選択するだろうか。千葉県職員を選ばず、民間や他県を選んでしまうのではないか。県の民間との比較、また、他県との比較も調査に含め、差があるのであれば、きちんと千葉県独自の勧告をしてほしい。 |
最後に、渡邉議長より「人事委員会勧告は、申し上げるまでもなく「労働基本権の制約に対する代償措置」である。その機能・役割をしっかりと発揮してほしい。また人事委員会勧告は、私たちの給与や労働上の諸条件決定に非常に大きな影響がある。国や他団体との均衡ということもわかるが、勧告は職員、教職員のモチベーションや生活に影響するため、県民サービスや子どもたちへの教育にも関わる。現場で身を粉にして働く職員、教職員、さらにはその先にいる県民と子どもたちの姿に想いは馳せ、勧告内容を検討してほしい。私たち職員、教職員が安心して職務に専念できるよう、生活改善につながる勧告を強く要望する」と力強く申し入れ、交渉を終えました。
学校現場の実態を千教組本部に届けていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
[教職員配置]
1.教育の機会均等やより良い教育にむけ、以下の項目について予算を確保するよう文部科学省及び関係府省に強くはたらきかけること。
① 義務教育費国庫負担制度を堅持するとともに、国の負担率を2分の1に復元すること。
千葉県教育委員会としても、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上のため、必要な財源は国の責務としてこれを完全に保証するよう全国都道府県教育長協議会及び全国都道府県教育委員協議会を通じ、国に要望している。 【教育総務課(人事給与室給与管理班)】 |
② 全学年30以下学級などの少人数学級の実現を図ること。まずは、中学校の35人以下学級を早期に実現すること。
国に対しては、法改正により中学校の35人以下学級についても早期に拡充するよう、全国都道府県教育長協議会等を通して要望するとともに、県としては「国の施策に対する重点提案・要望」において、地域の実情や学校の実態に応じた柔軟な教職員定数の活用ができるよう制度の見直しを働きかけている。 【教職員課(人事)】 |
③ 教育の質の向上と子どもと向き合う時間を確保するため、小学校における専科指導の充実による指導体制への支援を図ること。
県教育委員会では、担任の負担軽減と教育の質の向上を図るため、今年度から「小学校専科非常勤講師等配置事業」を新たに実施することとし、7月までに65校に79人を配置した。今後も、県の予算による非常勤講師の配置を進めるとともに、教職員定数の改善について、全国都道府県教育長協議会等を通して国に要望していく。 【教職員課(人事)】 |
④ 中学校の免許外教科担任を解消するための教員を増員すること。
免許外教科担任を解消するため、令和4年5月1日現在、教科担任講師を84校に104人配置している。今後とも、免許外教科担任の解消に努めていく。 【教職員課(人事)】 |
⑤ 少人数指導等を充実させるための教員を増員すること。
国に対しては、法改正に伴う35人学級の拡充にあたり少人数指導等に係る加配定数の維持に努めるよう、全国都道府県教育長協議会等を通して要望するとともに、県としては「国の施策に対する重点提案・要望」において、地域の実情や学校の実態に応じた柔軟な教職員定数の活用ができるよう、制度の見直しを働きかけている。 【教職員課(人事)】 |
⑥ 特別な支援を要する児童・生徒の教育の充実を図るため、特別支援学級の学級編制基準を引き下げること。
特別支援学級の学級編制基準については、現在のところ変更する予定はない。 なお、県としては、国に対して、全国都道府県教育長協議会等を通じて、「小中学校における特別な教育的支援を必要とする児童生徒の教育の充実を図るため、義務標準法を改正し、特別支援学級の編制基準の引下げ及びそれに伴う教職員定数の改善を図ること」など、財政措置の拡充について要望している。 【教職員課(人事)】 |
<要望>
現在、義務標準法において小中学校とも特別支援学級の学級編制基準については、上限は8人となっているのは承知している。しかしながら、他県の状況を見ると山梨県では県独自で学級編成基準を8人から7人に、山形県では8人から6人に引き下げて、指導・支援を充実させるための体制強化やきめ細やかな対応をしている。また、文科省から出ている資料では、直近10年で義務教育段階の児童生徒は1割減少する一方で、特別支援学級の児童生徒数は2.1倍となっており、千葉県においても1.8倍と増加している。全ての子どもたちの可能性を最大限に引き出す教育が求められている状況であり、ぜひとも、千葉県においても、特別な支援を要する児童の増加傾向に対応するため、特別支援教育の充実に向けて独自で編制基準を引き下げる等検討していただきたい。 |
⑦ 通級指導教室担当者1人の指導対象となる児童・生徒数の上限を引き下げること。
国に対して、全国都道府県教育長協議会等を通じて、「発達障害のある児童生徒への通級による指導を担当する教員については基礎定数化を着実に進めるとともに、配置基準の引下げを図ること」など、財政措置の拡充について要望している。 【教職員課(人事)】 |
⑧ 外国人子女等日本語指導のための教員の配置を増やすこと。
外国人子女等日本語指導のための加配教員は、小学校83校、中学校21校、義務教育学校1校の計106校に76名を配置している。外国人児童生徒への対応を目的とした教職員については、今後も国の動向を見守るとともに、必要な定数については、市町村教育委員会や関係機関と協議の上、国に対して増員を要望していく。 【教職員課(人事)】 |
⑨ 教職員の長時間勤務の改善にむけて、スクール・サポート・スタッフの配置の拡充を図ること。
本年度のスクール・サポート・スタッフは、令和4年7月末の時点で245校に258人を配置している。 国に対しては、スクール・サポート・スタッフなどの教員以外の専門スタッフ・地域人材について、希望する全ての公立学校に配置するなど補助制度の一層の拡充を図るよう、全国都道府県教育長協議会等を通して要望するとともに、県としては「国の施策に対する重点提案・要望」において、スクール・サポート・スタッフ等の配置が促進されるよう、国の補助制度を拡充することを働きかけている。 【教職員課(人事)】 |
⑩ 教育支援体制整備事業費補助金の補助率を2分の1に引き上げること。
国に対しては、スクール・サポート・スタッフなどの教員以外の専門スタッフ・地域人材について、希望する全ての公立学校に配置するなど補助制度の一層の拡充を図るよう、全国都道府県教育長協議会等を通して要望するとともに、県としては「国の施策に対する重点提案・要望」において、スクール・サポート・スタッフ等の配置が促進されるよう、国の補助制度を拡充することを働きかけている。 【教職員課(人事)】 |
2.公立小中義務教育学校学級編制基準及び公立小中義務教育学校定員配置基準を改善し、特に、以下の項目における教職員の配置を拡充すること。また、県費負担教職員の確保にかかわる予算の増額を図ること。
① 小・中学校における増置教員の配置基準を改善すること。当面、小学校11学級以下、中学校15学級以下の学校への増置教員の配置拡大を図ること。
令和3年度に小学校12学級の増置教員配置基準を改善したところであるが、さらに増置教員配置基準を引き下げることは、県単独予算による大幅な定数増を伴うため、現状では困難である。 今後とも、児童生徒数の増減及び学級数の推移等を勘案しながら、国から措置される定数を最大限に活用していく。 【教職員課(人事)】 |
② 小規模校や複式学級設置校、特色ある教育課程を編成する学校への教員の配置拡大を図ること。また、複式学級編制基準を下げること。
本県では、11学級以下の小学校にも、学級担任以外の増置教員を1名配置して、校内指導体制の充実を図っている。 さらに増置教員の配置拡大を図ることや複式学級編制基準を引き下げることは、県単独予算による定数増を伴うため、現状では困難である。 【教職員課(人事)】 |
③ 学級編制の基準日を修了式の日とし、全学年において、修了式後の転出により学級減が生じた場合は、元の学級数を維持する弾力的な学級編制ができる予算措置をすること。
児童生徒数を正確に把握するためには、学級編制基準日を入学式・始業式の日とすることが、現状では最も適当であると考えており、これを変えることは考えていない。 なお、小学校第1学年及び第5学年については、修了式後に学級減の対象となる人数まで減った場合、一律に学級減としない学級編制の弾力的な運用をしている。対象を全学年に広げることは、定数増を伴うため困難である。 【教職員課(人事)】 |
④ 千葉県の配置基準を小学5年から中学3年まで35人に引き下げること。県独自の基準をもとに配置された教職員に関しては、学校の裁量のもと弾力的な運用ができる制度とすること。
少人数学級の推進については、国の定数を活用していることから、さらなる教職員定数改善計画が策定されない状況で、学年を拡大することは困難である。 【教職員課(人事)】 |
⑤ 教科指導の専門性をもった教員によるきめ細かな指導や教育の質の向上、持ちコマ数の軽減のための小学校専科をさらに拡充すること。
県教育委員会では、担任の負担軽減と教育の質の向上を図るため、今年度から「小学校専科非常勤講師等配置事業」を新たに実施することとし、7月までに65校に79人を配置した。 今後も、県の予算による非常勤講師の配置を進めるとともに、国の定数を活用して、専科教員の配置を進めていく。 【教職員課(人事)】 |
今年度、船橋市内の小学校に小学校専科非常勤講師として、小学校教諭で定年を迎えられた2名の方が配置された。 2名の先生方にはそれぞれ3,4年生の算数の授業を週5時間、各学年2クラスずつ受けもっている。担任がT2で入ることもなく完全に一人で受け持っている。7月には熊谷知事にも授業の様子を訪問され、有用性についてご理解いただいた。 また、3,4年生の担任は、多学年に比べ、授業数は多いのだが、専科指導の教科が少なく、どこも持ちコマ数が多く、空きコマが少ないというのが通例であった。そこで、専科に週5時間持っていただけるということは、持ちコマ数が減り、その余裕ができた時間を他の教科の教材研究にあてることができ、専科以外の教科でも教育の質が向上できる、さらに、業務改善にもつながっている。 小学校専科が配置された学校現場からは、教科指導の専門性のもった教員によるきめ細やかな指導をいただけることで学力向上に繋げられることはもちろん、校内の教員数が増えて教科指導以外でも校内の対応がしやすくなったという声や、ベテランの先生方に来ていただいたことで、若年層の授業構成や板書の仕方の指導や掲示物作成などをしていただいて大変助かっているという声が届いている。 しかし、その一方で、一日3時間という短い勤務形態のため、小学校専科の先生ご本人も学校現場の先生方も困っているという声も届いている。 まず、授業準備の時間が確保できないという点。9:00~11:30までの勤務なので授業を行ったあと、次の授業準備をする時間がなく、結局給食も食べず、残っていただいていることもあるそうだ。2点目は多少空きコマがあるにしても周りの方とのコミュニケーションをとる時間がないということである。受け持っている学級の担任とも打合せが必要であること、ベテランの先生で、体育や書写にも大変長けておられ若年層に熱心にご指導いただいているそうである。だからこそ、もっと時間が欲しいというのが正直なところである。専科の配置については、学校の実情や専科の方に応じて学年や教科も柔軟に対応できるとさらに助かる。来年も配置していただけるのか、1年間だけの配置なのか。さらに、他の学校も同じ様に専科を望んでいる。 今年度配置した学校への配置を継続して行うとともに、小学校専科の増置および勤務時間の延長など、さらなる拡充をお願いする。 |
<再質問>
県予算の今後の配置見込みにあるように、次年度以降も配置校は拡充していく予定なのか。 また、勤務形態等、学校や講師の実情等に応じて、柔軟に対応できるようにならないのか。 |
<再回答>
配置校数については、国の加配とあわせて活用しながらすすめていくため、配置については、拡充していく。なお、非常勤講師の勤務時間等については、今年度の実情等を踏まえて検討していこうと考えている。また今後、担当する教科については、本事業の開始にあたって、教科の特性を踏まえて設定してあるので、当面、現在の教科でとりくみを続けていきたい。 【教職員課(人事)】 |
<要望>
まずは、今年度新たに県独自で「小学校専科非常勤講師等配置事業」として新たに実施していただき、ありがたい。現場の声にもあったように、専科が入ることで担任の持ちコマ数が減る。それによって負担が軽減され、その余裕ができた時間を他の教科の教材研究にあてることができ、専科以外の教科でも教育の質が向上できる。ぜひ、勤務形態等、学校や講師の実情に応じて柔軟に対応してほしい。また、現在、千葉県の教職員の年齢構成では、ベテラン層や若年層が多く、中堅層が少ない状況である。来年度から導入予定の定年引上げに伴い、力のあるベテラン層が60歳以降も働きたいと思える環境づくりが必要であると考える。そこで、柔軟な勤務形態のもと、小学校専科非常勤講師等配置事業を活用していくよう検討していただきたい。 |
⑥ 特別支援教育の充実や多学年指導の解消をすすめるため、学校現場の実情を把握し教員等を増員すること。
県としては、国に対して、全国都道府県教育長協議会等を通じて、「小中学校における特別な教育的支援を必要とする児童生徒の教育の充実を図るため、義務標準法を改正し、特別支援学級の編制基準の引下げ及びそれに伴う教職員定数の改善を図ること」や「発達障害のある児童生徒への通級による指導を担当する教員については基礎定数化を着実に進めるとともに、配置基準の引下げを図ること」について要望している。 【教職員課(人事)】 |
≪現場の声(長生支部 木村書記長)≫
千葉県教育委員会の策定した「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」には、「障害のある幼児児童生徒の自立と社会参加を見据え、連続性のある多様な学びの場と切れ目ない支援の充実を図り、一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばす教育の実現」にむけ、ご尽力いただいていることに感謝申し上げる。 特別支援学級には、異なった学年の児童が在籍している。例えば、1年と6年生の児童が同じ教室の中で、同時に学習をしているわけである。学年が多学年にわたるだけでも、それぞれの発達段階に応じた指導が必要となる。しかしそれ以上に、特別支援学級に在籍する児童については、特にその個人の能力に応じた指導が必要となる。限られた時間の中で、一人の学級担任が、異なった発達段階、能力の差の大きい複数の児童に対して、きめ細やかに配慮した授業を構想することは、非常に難しいと言わざるを得ない。現場の学級担任は、在籍する児童一人一人の能力や可能性を最大限に引き出そうと授業準備、教材研究に日々努力していることをまず、ご理解していただければと思う。 また、各学校においては、特別支援教育コーディネーターを配置することとなっており、特別支援教育推進の中心となっている。文科省が示している特別支援教育コーディネーターの役割は、学校内の関係者や外部の関係機関との連絡調整役,保護者に対する相談窓口,担任への支援,校内委員会の運営や推進役といった役割を担うとされ、その業務は多岐にわたる。実際に学校現場では、「クラスの中で個別の支援を必要とする子どもや気になる子ども」について学級担任から相談を受けることがよくある。そのような場合、実際の児童の様子を観察することも必要となる。しかし、特別支援教育コーディネーターは、特別支援学級の担任が兼務している場合が多く、そのような際には、最大8名となる、自分の学級の児童が交流学級に行っている空き時間を活用するか、自習にするかの選択肢しかない。本来であれば学級の子どもたちと一緒にいる時間、交流での様子を見る時間等を何とか教務や他の教員に学級に入ってもらい、時間を生み出し、対応している。担任からの十分な聞き取りが必要とされてはいるが、実際の姿を見ていないのに、適切な助言はできない、というのが現場の生の声である。 また、保護者の相談に応じたり、個別の支援計画の作成について助言を求められることがあったり、校内委員会の運営も担当していたりと、到底、教頭や担任を兼務して務まる業務量ではない。そのような中で、現場の声として、通常学級の児童も、特別支援学級の児童も同じように一人一人を大切にし、全ての児童をきちんと見て、その能力に応じた支援をきめ細やかおこなっていくためには、担任外の専任の教員が必要であるとの声があがっている。 今後、千葉県のすべての小中学校において、児童・生徒一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばす教育が実現されるよう、ぜひとも学校現場の実情に耳を傾けていただき、特別支援にかかわる教員を増員してくれるよう要望する。 |
<再質問>
国や県でも重点に置いている特別支援教育の充実のためには、支援学級に在籍する子どもが多い学級にはサポートできる教職員が必要ではないか。特にその中で担任と特別支援教育コーディネーターを兼務している場合には、特別支援教育コーディネーターの業務を行う上でもサポートできる教職員が必要ではないかと考えるがいかがか。 |
<再回答>
1.⑥でも答えたが、特別支援教育にかかわる教職員定数の改善については、現在国に要望しているところである。今後も引き続きしっかりと要望していきたい。 |
<要望>
多学年指導の解消について、新潟県では「特別支援学級の1学級の児童数又は生徒数は8人以下」しながらも、留意点として特別支援学級の編成を「同学年の児童生徒で編制することが原則であり、できる限り少ない個数の学年で編制する。」とし、多学年指導にならないようにしている。静岡県では、特別支援教育充実事業として、多人数(7、8人)の自閉症・情緒障害学級を有する学校がある市町の小・中学校へ非常勤講師を配置している。また、「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」では、障害のある子供の学びと切れ目ない支援体制の充実にむけて、「特別支援教育コーディネーターの専門性の向上が図られ、小・中学校等における特別支援教育が更に充実」とある。学級編制基準の引き下げ等、今後とも国に要望するとともに、特別支援教育の充実にむけ、学校現場の実情をご理解いただき、県独自の教員等の増員についても検討してほしい。 |
⑦ 実態にあわせた生徒指導や不登校の児童・生徒等に対応できるよう、県単独で措置している教職員を増員すること。
児童生徒支援のための加配教員については、いじめ対応、不登校児童生徒・問題行動支援、学習支援等を目的として、今年度299名を配置した。 また、生徒指導充実のために、県単独予算でさらに26名の定数を確保している。県の厳しい財政状況下において、生徒指導充実のための定数を増員することは、現状では困難である。 【教職員課(人事)】 |
<要望>
8月26日に行われた「第9回生徒指導提要の改訂に関する協力者会議配付資料」での生徒指導提要の案では、チーム学校による生徒指導体制の重要性を示している。文部科学省が2021年10月に発表した「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、原因は様々であるが、小・中学校における不登校の児童生徒数は過去最多となっている。加配を受けている学校からの話を聞いたところ、「大人の目が増えることで問題が起こる前に対応できる」や「加配のおかげで救われている子どもがいる」ということだった。もちろん、児童生徒にとってプラスなだけでなく、教職員の負担軽減にもつながっている。このような素晴らしい制度を今後も継続できるよう、国に対するはたらきかけとともにぜひ県単独配置を少しずつでも拡大できるよう強く要望する。 |
⑧ 養護教諭の全校配置を堅持すること。さらに、多様化する児童・生徒の心身の健康問題に対応するため、複数配置基準を引き下げるとともに、学校の実情に応じた弾力的な複数配置をすすめること。
養護教諭については、現在、3学級以上の本校に配置するとなっているが、すべての本校に配置するよう努力している。また、国から定数が措置されない分校についても、配置しているところである。複数配置基準を引き下げるなど、複数配置校を拡大することは、定数増を伴うため現状では困難である。 【教職員課(人事)】 |
<要望>
国から定数が措置されない分校についても、継続して配置していただき、ありがたい。生徒指導提要の案では、「性的マイノリティー」に関する項目も新たに追加され、養護教諭の役割についても示されている。また、不登校児童生徒に関わる際の要であり、インターネット問題の相談・通報窓口やいじめや虐待などの問題、非行や性に関する課題についても養護教諭は発見しやすい立場とされている。複数配置基準を下げることは困難とのことだが、養護教諭から「個別対応が必要な子どもの数は数年前と比較し明らかに増えていると感じる。」という声を聞いている。 令和5年度の文科省の概算要求でも、養護教諭がより一層きめ細やかな心身のサポート・ケアを行える体制にむけ、「子供の心身の健康を担う養護教諭等の業務支援の充実」が新規事業として追加された。 複数配置基準が下がるとありがたいが、それが難しい場合は会計年度任用職員や教員業務支援員など様々な方法で人を増やす工夫を要望する。 |
⑨ 標準法の規定にもとづいた県費職員としての学校事務職員の全校配置を堅持するとともに、国の基準に準じた小学校27学級以上、中学校21学級以上については複数配置とすること。
事務職員の配置基準については、3学級以上の本校に配置するとなっているが、すべての本校に配置するよう努力している。また、事務の共同実施センター校に複数配置をする等、配置の工夫を行っているところである。配置基準については、今後とも、児童生徒数及び学級数の推移等を勘案しながら、検討していく。 【教職員課(人事)】 |
⑩ 学校事務職員の「就学援助加配」については、引き続き速やかに配置すること。また、配置基準を引き下げるとともに、基準に満たなくなった場合には県独自で経過措置を設けること。
学校事務職員の「就学援助加配」については、国の加配条件に基づいて配置していく。 定数は、国の法に従って単年度措置されるため、配置基準を引き下げることや県単独予算を措置することにより、前年度の配置数をすべて確保することは困難である。 【教職員課(人事)】 |
⑪ 児童・生徒数の減少により、養護教諭や学校事務職員が複数配置の基準に満たなくなった場合、県独自で経過措置を設けること。
養護教諭や学校事務職員の複数配置の定数は、国の法に従って単年度措置されるため、県単独予算を措置することにより前年度の配置数のすべてを確保することは困難である。 【教職員課(人事)】 |
⑫ 充実した食教育の実施や感染症・アレルギー対応のために栄養教諭及び学校栄養職員(共同調理場を含む)の配置基準の改善を引き続き行うこと。
学校栄養職員の単独調理場の配置基準については、児童生徒数の推移等を勘案し、令和3年度に給食児童生徒数の合計数を975人で除した数から950人で除した数へと改善したところである。また、栄養教諭についても配置数を拡大できるよう検討していく。 栄養教諭、学校栄養職員を含む教職員定数については、国が措置することが基本であることから、引き続き「全国都道府県教育長協議会」等を通じ、国に定数改善を要望していく。 【教職員課(人事)】 |
⑬ 学校統合の場合は、統合前年度及び初年度に加配教員を配置すること。また、学校事務職員も加配で配置できるように定員配置基準を改正すること。
今年度は、統合を行った小学校8校、中学校3校、義務教育学校2校に加え、統合前年度の小学校2校、中学校2校の計17校に加配教員を配置した。 学校事務職員の学校統合に係る定数を増やすことは、現状では困難であるが、今後の統廃合や国からの定数措置の状況等を勘案しながら、検討していく。 【教職員課(人事)】 |
⑭ 共同調理場が統合する場合、栄養教諭及び学校栄養職員を加配で配置できるように定員配置基準を改正すること。
学校栄養職員の共同調理場の配置については、国の基準に準じて行っている。 栄養教諭、学校栄養職員を含む教職員定数については、国が措置することが基本であることから、引き続き、「全国都道府県教育長協議会」等を通じ、国に定数改善を要望していく。 【教職員課(人事)】 |
⑮ きめ細かな指導のための非常勤講師を拡充すること。
現行の市町村立学校非常勤講師等配置事業を拡充することは、本県の厳しい財政状況を考えると、現状では困難である。 今後とも、きめ細かな指導のための非常勤講師の確保に努めていく。 【教職員課(人事)】 |
3.働き方改革や教職員の時間外勤務削減にむけて効果の高いスクール・サポート・スタッフを全校配置すること。配置にあたり国の予算だけで足りない部分については、県費で補えるよう予算措置すること。
本年度のスクール・サポート・スタッフは、令和4年7月末の時点で245校に258人を配置している。県の厳しい財政状況下において、県費で予算措置を増やすことは、現状では困難であるが、来年度に向けて、国の予算拡充の動きや市町村等からの要望を踏まえ、配置の在り方を検討していく。 なお、国に対しては、スクール・サポート・スタッフなどの教員以外の専門スタッフ・地域人材について、希望する全ての公立学校に配置するなど補助制度の一層の拡充を図るよう、全国都道府県教育長協議会等を通して要望するとともに、県としては「国の施策に対する重点提案・要望」において、スクール・サポート・スタッフ等の配置が促進されるよう、国の補助制度を拡充することを働きかけていく。 【教職員課(人事)】 |
<再質問>
スクール・サポート・スタッフは、学校における働き方改革推進において学校現場にもたらす効果は非常に大きい。来年度、さらに予算化して拡充していく予定はあるのか。 |
<再回答>
スクール・サポート・スタッフの配置事業については、国予算案をもとに、千葉県予算案が決定するため、引き続き全国都道府県教育長会議等を通じて、国の予算拡充に向けて要望していく。 |
<要望>
8月15日の永岡文部科学大臣記者会見でも、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあるものの、やはり依然として長時間勤務の職員が多く、引き続き、取組を加速させる必要があると認識をしていると発言している。このため、教員業務支援員、スクールサポートスタッフ等の支援スタッフの充実についても発言しており、昨日30日の会見においても支援スタッフの拡充が大事であると発言している。 令和5年の文科省の概算要求においてもSSSの配置について今年度の2.3倍の要求をしている。長生地区のある学校では、教育実習をした学生がSSSとしてその学校で働き、そこで様々な経験を積み、今年度新採として採用された。そこで、予算措置された人員を確実に配置するため、県内の大学と連携をして、教育に関心のある学生がSSSとして働く機会を設定することで、将来の教員のなり手としても期待ができるのではと考える。働き方改革に直結するSSSのより良い配置と拡充がなされるよう、予算・人の確保・配置においてさらに注力するよう要望する。 |
4.いじめ・不登校等の対策をはじめとする学校支援体制強化のための、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置時間、配置校数の拡充を図ること。
<再質問>
スクールカウンセラーについて小中学校に全校配置していただき、ありがたい。しかしながら、小学校によって、配置時間が月1回、月2回等が混在している状況である。そこで、小学校配置のスクールカウンセラーの配置時間を今後拡充していく予定はあるのか。 |
<再回答>
スクールカウンセラーの配置については、小学校における隔週配置校の拡充など、今後も、各学校における教育相談体制の充実に努めていく。 |
<要望>
不登校児童生徒数の増加や児童虐待相談の急増による様々な課題を抱える児童生徒への早期支援や児童虐待発生時の迅速・的確な対応にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは今後ますます必要不可欠になっていくと考える。また、6月の文教常任委員会において、県では経験豊富なSCをスーパーバイザーとして15名雇用しているとの回答があった。GIGAスクール構想に伴い、ネットいじめやトラブル等、課題は多様化しており、今後ともチームとして対応できる体制を構築してほしい。 また、柏市では市独自でスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置しており、様々な問題に対し、担任一人で抱え込まず、チームで対応できるような体制づくりをしている。ぜひとも、次年度以降もスクールカウンセラーの配置時間やスクールソーシャルワーカーの配置校数をさらに拡充するよう要望する。 |
5.長期研修生の増員を図ること。
本県教育の推進者を育成するという長期研修制度の趣旨を踏まえ、長期研修生を派遣するために必要となる国からの定数を確保できるよう、努めていく。 【教職員課(人事)】 |
6.以下の項目における教職員を配置するよう市町村にはたらきかけること。
① 子どもたち一人ひとりの教育的ニーズや不登校の問題に対応できるよう、地方財政措置された特別支援教育支援員をすべての学校に配置すること。また、学校の実情に応じた複数配置の促進に努めること。
平成19年度から、特別支援教育支援員を各市町村が配置できるよう、地方財政措置されている。県としては、その配置の充実について、令和4年1月31日付け「令和4年度特別支援教育に係る地方財政措置の予定について」により、各市町村に対して周知を図ったところである。今後も、特別支援教育支援員の計画的な配置と有効活用について、各種会議等を通じ、市町村に働きかけていく。 【特別支援教育課(教育支援室)】 |
≪現場の声(印旛支部 木村書記長)≫
特別支援教育支援員は昨年度の8月に学校教育法施行規則に加わり、教育上特別の支援を必要とする児童の学習又は生活上必要な支援に従事する職員として、具体的な職務内容は、「基本的生活習慣確立のための日常生活上の介助」「学習支援」「学習活動、教室間移動等における介助」等が挙げられている。 現場の声を聞くと、この特別支援教育支援員がいることで、特別支援学級の子どもたちへ学級での支援の手が行き届くようになったことはもちろん、特別支援学級の児童生徒に対する人手が多くなった分、交流している通常学級に行ける回数が支援員と一緒に行くことで多くなり、通常級の子どもたちとの関わりもより深くなっている。また、支援員が個別に配慮を要する子につくことで、今まで一人ではとりくことが難しく、できなかった教材も、支援員がいることで補助することができ、児童生徒が主体的にとりくめるようになり、子どもたち自身の成長を感じることができたなどの声も現場から聞かれる。 また、通常学級に特別支援教育支援員が入っている学校では、個別に支援を要する子どもに寄り添い、学習の補助などをして下さったり、小学校低学年のトイレのサポートをしてくださったりと、とてもありがたいとの声をよく聞く。学級の子どもたちを複数の教職員で関わることで、きめ細やかな対応が可能となる。 このように、学校現場では特別支援教育支援員がいることで、様々な子どもたちのニーズに応えることができ、生活面や学習面で大きな成果を上げている。 しかしながら、それぞれの市町村の様子を見ると、毎年全ての学校から支援員の要望はあるものの、地方財政の限られた財源では全ての学校配置は難しく、学校規模や子どもの支援内容によって、優先順位を付けて配置せざるを得ない状況である。また、それぞれの市町村で財政に差があり、市町村によっては学校に支援員が複数いるなど、それが今後の教育格差につながる心配もある。 個別に支援を要する全ての児童生徒が、いきいきと主体的に学校生活を送るためにも、全ての小中学校に特別支援教育支援員を配置できるようにそれぞれの市町村にさらに呼びかけていただきたい。また、学校の実情に応じた支援員の複数配置の促進についてもお願いする。 |
<再質問>
令和3年8月23日に公布された学校教育法施行規則の一部を改正する省令において、特別支援教育支援員について追加され、配置の促進を促している。各市町村の特別教育支援員の配置状況は把握できているのか。 |
<再回答>
特別支援教育支援員については、文部科学省が毎年特別支援教育支援員調査を実施しており、県教育委員会が各市町村からの回答の取り纏めを行っていることから、各市町村の配置状況については把握しているところである。 |
<要望>
「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」では、主な施策7の学校を支える外部人材や地域の教育資源の活用と充実において、〔学校教育法施行規則に規定された職員の活用〕を挙げている。その中で、「学校教育法施行規則に規定されている特別支援教育支援員等の配置を検討し、安心して充実した学校生活を送ることができるよう、小・中学校等における指導・運営体制の強化を図っていきます。」とある。 千教組による調査では、未配置の学校があることや勤務時間及び日数や人数が足りない実態を把握しており、実態に合わせて必要な支援員の配置、勤務条件の改善を求めていく必要があると考えている。市町村によって差が生じることがないようにすべての学校に配置するよう市町村に強く働きかけるよう要望する。 |
② 学校図書館法の一部改正にともない、すべての学校に専ら学校図書館の職務に従事する職員(学校司書)を配置すること。
一部改正法の附則では、「学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と規定されていることから、学校司書の配置については、国の動向を踏まえて検討していく 【教職員課(人事)】 |
③ 部活動指導員の配置を積極的にすすめること。
県教育委員会では、部活動指導員を配置する市町村に対し、その経費の一部を補助する「部活動指導員配置事業」を継続している。今後も、効果的な活用方法を周知するなど、引き続き、各市町村教育委員会に対し配置を積極的にはたらきかけていく。 令和4年度5月現在、14市町73配置 令和5年度の配置希望、15市町105人(7月現在) 【保健体育課(学校体育班)】 |
④ 地方財政措置されているICT支援員の配置をすすめること。
県教育委員会では、ICT教育担当者連絡協議会等で市町村教育委員会に対して情報通信技術支援員(いわゆるICT支援員)の配置の推進をお願いしているところである。また、学校のICT化を支援する人材の確保に向けて、人材の紹介や派遣等を行っている事業者等に関する情報提供を県教育委員会ウェブページで行っている。 【学習指導課(ICT教育推進室)】 |
⑤ 日本語指導員の配置を積極的にすすめること。
外国人子女等日本語指導のための加配教員は、小学校83校、中学校21校、義務教育学校1校の計106校に76名を配置している。 外国人児童生徒への対応を目的とした教職員については、今後も国の動向を見守るとともに、必要な定数については、市町村教育委員会や関係機関と協議の上、国に対して増員を要望していく。 【教職員課(人事)】 |
<要望>
令和4年3月に文科省から出た「日本語指導が必要な児童生徒受入状況等に関する調査結果の概要(速報)」では、日本語指導が必要な児童生徒数は増加傾向にある。また、令和4年6月に改訂された「千葉県外国人児童生徒等教育の方針」においても日本語指導が必要な外国人生徒の在籍人数は1.53倍に増加している。日本語指導が必要なすべての外国人児童生徒等に、日本語指導教員による指導を行えるようにするためには、県と市町村が連携し、市町村の実情に応じた支援を行うことが必要である。今後とも増加が予想される日本語指導が必要な外国人生徒に教員を適正に配置するとともにその保護者に対しても支援するよう要望する。 |
⑥ 学校における医療的ケア実施体制充実にむけ、医療的ケア看護職員の配置をすすめること。
令和3年度は、県内の13市が、国の補助制度である「医療的ケア看護職員配置事業」を活用して、小・中学校等33校に41人の看護師を配置した。 令和4年度は、16市町の小・中学校等49校に69人の看護師を配置するため国に補助申請をしているところである。 県教育委員会では、市町村教育委員会を含めた各地区別ネットワーク、並びに地区代表が集まっての総括ネットワーク会議を活用し、小・中学校等におけるニーズと課題を踏まえた医療的ケアの実施体制構築の支援を行っている。今後も、県内各地域において、特別支援学校が中心となり、小・中学校等での医療的ケアの実施体制が構築できるよう支援を進めていく。 【特別支援教育課(教育課程指導室)】 |
≪現場の声(東総支部 青栁書記長)≫
千葉県教育委員会から出されている「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」の基本的な考え方にあるように、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が可能な限り共に学ぶ体制の充実を図り、相互に理解を深める教育の実現に向けて、ご尽力いただいていることに感謝申し上げる。 令和3年9月18日、医療的ケア児とその保護者を支えるために「医療的ケア児支援法」が施行された。 その中の基本理念には、医療的ケア児でない児童生徒等と共に教育を受けられるよう最大限に配慮する。居住する地域にかかわらず適切な支援を受けられるようにするとある。 現在、東総支部内の旭市の小学校に医療的ケア看護職員が1名配置されている。実際に配置されている学校の児童、保護者からはもちろんのこと、教職員とくに養護教諭からは大変ありがたいとの声を聞いている。 配置される前は、毎日該当児童の保護者が来校し、養護教諭とともに児童の体調管理をしていた。おそらく精神面も含め大変な苦慮があったと推察される。 配置をされてからは、専門的な知識と経験から該当児童に対して適切な対応ができること。また、契約の中で、該当児童に関わる時間以外は養護教諭の補助をするということになっており、他の児 童のけがの手当をしたり、養護教諭のサポートをしたりと学校において無くてはならない存在になっている。 また別の視点から見てみると、コロナ禍における養護教諭に求められる業務はふくれあがっており、地域や学校によって違いはあるが、消毒作業、体調管理、症状がある児童生徒への対応等、大変な状況は今も続いている。それに加え不登校傾向の児童生徒への対応などもあり、とうてい一人では厳しい状況がある。さらに医療的ケア児がいるという状況を考えると、大変な苦労があったのではないだろうか。 そういった状況の中、看護職員がいることで児童生徒・保護者・学校・教職員の安心感は、はかりしれないものがある。 先ほど説明した旭市では、医療的ケア看護職員の配置は現在1名であるが、さらに需要が有り明日9月1日から3名の配置になる。現場の教職員からは、感謝の声が上がっている。 しかしながら、まだまだ医療的ケア看護職員の認知が進んでいない状況があり、配置に至るまでは、働いてくれる方を探すことを含め苦慮した状況もあったようである。今後、医療的ケア看護職員の意義や役割を含めた認知についても進めていただき、必要な状況がある学校にすみやかに配置ができるよう、しくみ作り等を含めより進めていっていただければと思う。 今後、すべての学校において、医療的ケアを必要とする児童生徒とそうではない児童生徒が相互に理解をし、共に学ぶ体制が整えられることを願うとともに、我々もすべての子どもたちが元気に笑顔で安心した学校生活が送れる環境づくりをめざしていくことを誓い発言を終わる。 |
<再質問>
「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」にある専門家チームの配置や役割について具体的に教えてほしい。 |
<再回答>
小中学校等における医療的ケアの理解促進及び実施体制の構築を支援するため、小中学校等や市町村教育委員会の要請に応じて、会議や研修会に医療的ケアに関する知識を有する専門家、医師や看護師などの医療関係者、医療的ケアを実施している特別支援学校の校長、医療的ケアコーディネーターなどを派遣することができるよう、医療的ケア専門家チームの配置を検討していく。 |
<要望>
現場の声にもあったように、医療的ケア児がいる学校において看護職員がいることでの児童生徒・保護者・学校・教職員の安心感は非常に大きいものである。県では7月に「千葉県医療的ケア児等支援センター」が開設され、「第3次千葉県特別支援教育推進基本計画」において、「医療的ケア児が入学直後から安全・安心に学校生活を送ることができるよう、就学前段階の医療的ケア児の情報を収集し、早期から学校、保護者、看護師、医師や関係機関等が連携できるようにしていきます。」と示している。また、回答にもあったように文科省でも「切れ目ない支援体制整備事業」として今年度医療的ケア看護職員配置事業を拡充している。ぜひとも、県内各地域において配置事業を周知し、医療的ケア児の支援体制を早期に構築できるよう要望する。 |
[学校施設・設備、消耗品、専門スタッフ等]
7.学校施設・設備等、以下の点について、地域間格差が生じないように国及び市町村にはたらきかけること。また、県独自に予算措置を講じること。
① 児童・生徒・教職員の熱中症のリスクを軽減し、学びの機会を保障するために特別教室に空調設備を完備すること。
令和3年度から国では「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」として、特別教室等の空調設置など防災機能強化対策事業等について、重点的かつ集中的に対策を講ずるとしている。 空調設備の整備については、学校設置者である市町村の判断によるものと考えるが、県教育委員会としては、引き続き、市町村における施設整備が円滑に進むよう国の補助制度の活用に係る周知・助言など必要な支援を行うとともに、国に対しては整備に必要な財源の確保や国庫補助制度の充実等について要望していく。 【財務課(財務・助成班)】 |
② 体育館の耐震補強やトイレの洋式化を進めるとともに、空調設備を完備し、猛暑時でも学習機会が保障され、災害時の避難所としての機能も備えた学校施設となるよう改善すること。
令和3年度から国では「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」として、体育館等のトイレの洋式化や空調設置など防災機能強化対策事業等について、重点的かつ集中的に対策を講ずるとしている。 体育館等のトイレの洋式化や空調設備の整備については、学校設置者である市町村の判断によるものと考えるが、県教育委員会としては、引き続き、市町村における施設整備が円滑に進むよう国の補助制度の活用に係る周知・助言など必要な支援を行うとともに、国に対しては整備に必要な財源の確保や国庫補助制度の充実等について要望していく。 【財務課(財務・助成班)】 |
③ 老朽化等による危険をともなう校舎・施設・設備の改築、改修を行うこと。
令和3年度から国では「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」として、公立小中学校施設の計画的・効率的な長寿命化を図る老朽化対策等について、重点的かつ集中的に対策を講ずるとしている。 学校施設の長寿命化を図る老朽化対策等については、学校設置者である市町村の判断によるものと考えるが、県教育委員会としては、引き続き、市町村における施設整備が円滑に進むよう国の補助制度の活用に係る周知・助言など必要な支援を行うとともに、国に対しては整備に必要な財源の確保や国庫補助制度の充実等について要望していく。 【財務課(財務・助成班)】 |
④ 防犯カメラや防犯用外灯・インターホン、AEDの設置及び定期点検、避難経路の確保等、学校の安全対策・防犯対策を講じること。
市町村立小・中学校等については、まず、市町村教育委員会で責任をもって取り組むべきものと考える。 県教育委員会としては、市町村教育委員会において、学校の実状に応じた措置がとられるよう、指導及び助言をしていく。 【学校安全保健課(安全室)】 |
⑤ 子どもたちにとって安全・安心な学校が維持できるように、学校施設・設備の点検作業を定期的に業者等の専門家に委託すること。
市町村立小・中学校等については、まず、市町村教育委員会で責任をもって取り組むべきものと考える。 県教育委員会としては、市町村教育委員会において、学校の実状に応じた措置がとられるよう、指導及び助言をしていく。 【学校安全保健課(安全室)】 |
⑥ 食材と働く人の安全を保てるように「学校給食衛生管理基準」に準じた学校給食施設・設備の改善を図ること。
国に対しては、本年7月に「令和5年度国の施策に対する重点提案・要望」の中で、「学校教育施設の整備に係る事業については、地方の事業計画を踏まえて、必要な財源を確保すること」をはたらきかけたところである。市町村立学校については、まず、市町村教育委員会で責任を持って取り組むべきものと考える。県教育委員会としては、市町村教育委員会において、学校の実情に応じた措置が取られるよう、指導助言をしている。 【保健体育課(給食班)】 |
⑦ 電話回線の増設(保健室等)、校内電話の整備、ナンバーディスプレイ付き電話機の設置、休憩室の設置等、学校施設・設備の充実を図ること。
市町村立小中学校における休憩室の設置等については、校舎の新築や増改築の際に、市町村において検討し整備するものと考えており、その工事費について、国の補助制度を活用できる場合もある。なお、電話回線の増設、校内電話の整備等については、各市町村において整備を進めていくものと考えている。 【財務課(財務・助成班)】 |
⑧ GIGAスクール構想実現に向け、遅延の発生しないネットワーク環境などのICT環境の整備を早急にすすめること。また、保守管理、更新等の費用、家庭における通信費の負担軽減についても、必要な財政措置を講じること。
高速ネットワーク環境の整備については、54自治体が国の補助を申請し、令和2年度末までにすべての市町村で整備が完了している。また、ネットワークや端末の保守管理、通信環境整備及びこれに伴う通信費の増加や耐用年数を踏まえた1人1台端末の更新及び処分に要する費用について、必要な財政措置を講じるよう国に対し、要望しているところである。 【学習指導課(ICT教育推進室)】 |
⑨ 未だ終息の見通しが立たない感染症の拡大防止の観点から、教育現場の実情に応じた保健室の環境整備をすすめること。
市町村立学校を対象とした保健室環境の整備については、まず、市町村教育委員会で責任をもって取り組むべきものと考える。 県教育委員会としては、市町村教育委員会において、学校の実情に応じた措置がとられるよう、指導助言していく。一方で、令和3年度から4年度にかけて、各市町村教育委員会に対し、国の感染症対策のための補助金を活用した、感染症対策としての備品や消耗品の購入について、国への手続き等の支援を行っている。 【保健体育課(保健班)】 |
⑩ 多目的トイレやスロープ・昇降機の設置等、すべての児童・生徒がともに学ぶことのできる環境を早急に整備すること。
改正バリアフリー法の施行に伴い、文部科学省において、学校施設バリアフリー推進指針及び公立小中学校等施設のバリアフリー化に関する整備目標が定められ、令和3年度から令和7年度までの5年間に、緊急かつ集中的に整備することになった。 県教育委員会では、市町村に対し、学校施設のバリアフリー化を着実かつ迅速に進めるよう要請しているところである。また、障害のある児童・生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、バリアフリー化を推進しようとする市町村に対し、国の補助制度等の活用について周知・助言を行うとともに、国に対しては、市町村が行う整備に必要な財源の確保や、国庫補助制度の充実等について、引き続き要望していく。 【財務課(財務・助成班)】 |
⑪ 勤務時間を客観的に把握するためのICカードやタイムカード等をすべての学校に導入すること。
県教育委員会では、令和3年3月に、「学校における働き方改革推進プラン」を改定するとともに、市町村教育委員会に対し、「プラン」に基づき、総労働時間の短縮に向けた業務改善や教職員の意識改革に取り組むようお願いしてきたところである。 県立学校においては、令和2年度4月から全校にICカード式のタイムレコーダを設置し、令和2年11月からは、ICカード式タイムレコーダ管理システムを導入することで、出退勤時刻を客観的に把握するとともに在校等時間の報告を求めているところである。市町村立学校の教職員の勤務時間の管理については、服務監督権者である市町村教育委員会が対応するものであるため、「プラン」の教育委員会が推進すべき具体的取組に、「ICTの活用やタイムカードにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを構築する」ことを設定し、管下全ての学校において客観的・定期的な勤務状況の把握を促進している。 |
<再質問>
教職員の勤務時間の管理における具体的取組の令和3年度の結果について、県として結果をどう捉えているのか伺いたい。 |
<再回答>
令和3年度は「学びをとめない」という考えから、感染対策を講じながら教育活動をおこなっているため、負担感が増し、かつ時間外が多くなったと捉えている。過去の調査と比較すると極端な長時間労働は改善しているものの、学校全体の業務量の削減については、さらなるとりくみが必要であると認識している。 |
<要望>
「学校における働き方改革推進プラン」は、年度ごとに数値目標を出していることで進捗状況を確認でき、成果や課題が年度ごとにわかるので、とても意味がある。「教職員の出退勤時刻をICTの活用やタイムカードにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを構築する。」という項目では、令和3年度の目標値85%のところ、達成率58.5%であり、課題が浮き彫りとなった。 もちろん、市町村立学校の教職員の勤務時間の管理については、服務監督権者である市町村教育委員会が対応するものであることは承知している。しかし、勤務時間は県の条例で定められており、労務管理を確実に行うためには、給与負担者として県も勤務時間に一定の関心と責任感を持つべきだと考える。 ぜひ、令和4年度の目標値を達成するためにも、客観的勤務時間管理ができていない教育委員会に対して、より強い指導を行い、しっかりとした労務管理ができる体制を整えてもらいたい。 |
⑫ 帰国または外国人の児童・生徒が、校内だけでなくオンライン授業など家庭でも円滑にコミュニケーションを図れるようにするため、また保護者との連絡を円滑にするため音声翻訳機等の整備をすすめること。
県立学校において、拠点校3校を設置し、音声翻訳機を導入するとともに、効果的な使用方法等、調査・研究を進めている。今後は、調査結果を市町村教育委員会に周知していく他、各市町村で進むICT環境の整備等を生かし、学校が児童生徒等とオンラインで日本語指導及びコミュニケーション等が図れるようなシステム等の検討や支援体制の構築を進めていく。 [参考] 拠点校 生浜高等学校定時制 市川工業高等学校定時制 佐倉東高等学校定時制 【学習指導課(義務教育指導室)】 |
⑬ 総合型の地域クラブの育成等を市町村にはたらきかけ、地域間格差が生じないようにすること。
本年度の組織改編により、総合型地域クラブの所管は、生涯スポーツ振興課となった。 県教育委員会としても、今後、少子化の中でも、将来にわたり子供たちがスポーツに継続して親しむことのできる機会を確保する必要があると考えている。引き続き、生涯スポーツ振興課や県スポーツ協会等には、総合型地域スポーツクラブ等の育成について、はたらきかけていく。 【保健体育課(学校体育班)】 |
⑭ 部活動における家庭への金銭的負担が大きくならないように、支援をすすめていくこと。
県教育委員会では、市町村教育委員会学校体育担当者に対して、運動部活動の地域移行に係る家庭の負担について比較的低廉な額となるよう、説明を行ったところである。 また、生活困窮家庭における補助等についても、国に対して引き続きはたらきかけていく。 【体育課(学校体育班)】 |
[公費負担]
8.教育関係地方財政として措置された以下の項目について、各市町村にはたらきかけること。
① 就学援助費(準要保護)については、地域間格差が生じないよう、制度の拡充にむけてとりくむこと。
準要保護者への就学援助については、事業主体である市町村が地域の実状に応じ就学援助に係る施策を推進しているものと考えている。 【財務課(財務・助成班)】 |
② 「義務教育諸学校における教材整備計画(令和2~11年度)にかかる地方財政措置について、確実に教材整備費に充当すること。
各市町村における義務教育予算については、各市町村の実情に応じて適切に編成されているものと考える。 【学習指導課(義務教育指導室)】 |
③ 学校図書購入費に関する基準財政需要額を適正に措置すること。また、「学校図書館図書整備等5か年計画(2022~2026年度)」にかかる地方財政措置について、確実に学校図書整備費、学校図書館への新聞の複数配置費、学校司書の配置等に充当すること。
県教育委員会としては、平成22年度より、県独自の取組として「優良・優秀学校図書館」の認定事業を行っている。今年度から新たに「学校図書館への新聞の配備」についての調査項目を追加し、また、公立高等学校、県立中学校も事業の対象としている。この調査結果をもとに、予算の確保や児童生徒の読書活動の充実が図られるよう、各教育事務所を通じて市町村教育員会に働きかけていく。 【学習指導課(義務教育指導室)】 |
④ 物価高騰にともなう学校給食等に関する負担軽減のため「新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金」を、高騰する食材費の増額分に充当すること。
物価高騰により、学校給食への影響等が懸念されることから、県教育委員会では、市町村教育委員会へ、国の経済対策を活用し、学校給食等の保護者負担の軽減に向けた取組を進めていただくよう、これまで複数回にわたり周知文を送付し、活用を促している。今後も、各市町村がこのような制度を活用し、保護者の負担軽減を図ることができるよう、引き続き情報提供を行っていく。 【保健体育課(給食班)】 |
9.教育費の保護者負担の軽減を図るため、国庫負担・補助金、地方交付税交付金等を拡充するよう、特に以下の点について国にはたらきかけること。
① 教材費や消耗品費等を拡充すること。
市町村における義務教育予算については、各市町村の実情に応じて適切に編成されているものと考えている。県教育委員会では、全国都道府県教育長協議会等を通じ、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上のため、必要な財政措置を講ずるよう要望している。 【財務課(財務・助成班)】 |
② 教育の機会均等の観点からも就学援助費(要保護)拡充を図ること。
就学援助費の充実については、全国都道府県教育長協議会等を通じ、国に対して、補助金申請額を圧縮することなく、引き続き全額を交付決定するように努めるとともに、補助単価の引上げなど制度の充実を要望しているところである。 【財務課(財務・助成班)】 |
③ 学校事故に対する救済を万全とするため、故意・過失の有無や施設・設備の瑕疵の有無を問わず、すべての事故を救済対象とする学校災害保障制度の確立を図ること。当面、独立行政法人日本スポーツ振興センター法における災害給付額の引上げ、認定基準の拡大、共済掛金の保護者負担がなくなるようにすること。
独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害給付制度は、学校教育が円滑に実施できるように、国・学校の設置者・保護者のそれぞれの分担による協力関係によって成り立っている、いわば助け合いの制度である。県教育委員会では、独立行政法人日本スポーツ振興センター法に基づき、対応していく。 【児童生徒安全課(安全室)】 |
④ 義務教育諸学校の教科書無償制度を堅持すること。また、デジタル教科書についても無償制度の範囲内とすること。
義務教育諸学校の教科書無償制度が堅持されるよう、今後も国と連携しながら教科書給与事務に関する取組や、市町村教育委員会への指導・助言に努めていく。 また、デジタル教科書については、紙の教科書との併用の考え方や本格導入に伴う無償化など、国の動向を注視しながら、無償制度の範囲内となるようはたらきかけていく。 【学習指導課(義務教育指導室・ICT教育推進室)】 |
10.公立高校授業料無償制の復元を国にはたらきかけること。
平成25年度までの授業料無償制においては、無償化前から授業料が全額免除されていた低所得者層には恩恵がないことや、低所得者にとっては、授業料以外の教育費も大きな負担であるなどの課題が挙げられていた。 そこで、国では、低所得者層への支援を充実させるなど、制度の見直しを図ることとし、限られた財源の中から、その費用を捻出するため、授業料無償制に所得制限を導入することとしたと聞いている。県としては、この見直しにより、低所得者層の教育費負担の一層の軽減が図られるなどの効果があると考えている。 【財務課(会計指導班)】 |
11.奨学金貸付事業の支給要件や返還方法をさらに改善すること。また、奨学のための給付金についてはさらなる拡充を図ること。
千葉県奨学資金貸付事業は、平成23年度に大幅な見直しを行い、奨学資金の統合や成績要件の廃止、貸付月額の選択制及び返還計画の変更制度を導入するとともに、平成24年度には、卒業後、一定の収入を得るまでの間、返還を猶予する制度を導入した。また、返還者の利便性の向上のため、時間に縛られずにいつでも利用可能なコンビニ収納を開始、口座引落し可能な銀行についても随時追加を行っており、令和3年度からはゆうちょ銀行の口座引落しも可能となった。 次に、奨学のための給付金事業であるが、住民税所得割非課税世帯については、令和4年度も給付額を増額したところである。また、令和2年度から引き続き、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、新入生に対し給付金の一部を早期に給付するとともに、家計が急変した世帯に給付する制度の拡充を行っている。 【財務課(育英班)】 |
[その他]
12.通学路の安全を確保するため、歩道や歩道橋、ガードレール、外灯等の設置、危険箇所の改善に向けて、国・市町村にはたらきかけるとともに、県独自でも改善に向け早急に必要な予算措置を講じること。
通学路の安全確保にあたっては、令和3年度に「小学校の通学路の緊急一斉点検」を、各市町村教育委員会に対し、学校関係者、警察署、道路管理者の三者で連携した点検や対策について依頼し、抽出した対策必要箇所への対策を進めているところである。 県教育委員会では、必要な対策が着実に推進できるよう、関係部局、県警本部からなる通学路安全対策会議を継続的に開催し、安全対策の推進に努めるとともに、市町村教育委員会に対しても、対策必要箇所への速やかな対応を働きかけている。 【児童生徒安全課(安全室)】 |
13.研修や出張にかかる旅費について、学校への配当金を増額すること。また、追加配当についても教育現場の実情に応じて早期に配当すること。
県財政状況が厳しい中、学校においても限られた予算の中で、効果的な執行をするよう、教育事務所を通じ依頼しているところである。また、年度途中で教育事務所を通じ過不足調査を複数回実施し、一般旅費や研修旅費等について、実績に応じた追加配分を行うなど、学校の実情に即した適切な予算配分に努めているところである。 【財務課(財務・助成班)】 |
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